80年代バブル当時、六本木界隈で存在感抜群だったアルピナ「B9 3.5/1」が1000万円オーバーで落札! ヤングタイマー人気で今後の価格に要注目
ポルシェ 911カレラ並みの動力性能を発揮
そして、実用的な4座席クーペボディで、同時代のポルシェ「911カレラ」並みの動力性能を発揮するとアピールされた。しかもB7ターボと同じゲトラグ社製5速MTのほか、ZF社製4速ATがBMWアルピナとしては初めて選択可能となる。 ところが、正規の自動車メーカーとして認められたとはいえ、やはりアルピナは小規模コンストラクターにすぎず、この時代のモデル変遷は慌ただしいものだった。 B9 3.5クーペのデビューからわずか数カ月後の1983年1月には、エンジンを3430ccの新ブロックとしたほか、細部にもリファインを加えた「B9 3.5/1」へと進化を遂げることになる。ただし、日本を含む一部市場では、引き続き「B9 3.5」と呼ばれているようだ。 さらに1985年7月になると、圧縮比をB9の10.2から10.6まで引き上げ、パワーを261ps(触媒つきは254ps)まで増強した「B10 3.5」へと発展。「B9」シリーズは生産を終えることになったのだ。
今回の落札価格はかなりリーズナブル。でも将来はもっと上がる可能性も……
2024年11月のRMサザビーズ「Munich 2024」オークションに出品されたのは、アルピナAGが1983年から1985年にかけて製作したとされる73台のBMWアルピナ「B9 3.5クーペ/1」のうちの1台である。 1983年5月、まずはBMWの「635CSi」として生産されたこの個体は、BMW本社にほど近いミュンヘンの南西に位置する小村、今ではアルピナの聖地として世界に名を知らしめたブッフローエに到着し、アルピナ本社ファクトリーによってB9 3.5クーペ/1に改造された。それが当時のアルピナ社に許されていた、唯一の生産方法だったからである。 B9 3.5/1ということで、排気量は3430cc。このM30型ストレート6エンジンにマーレ社製の鍛造ピストンやアップグレードされたカムシャフト、研磨などの改良を施したシリンダーヘッドを装着し、最高出力は自然吸気ながら245psを達成するに至った。 また、ビルシュタイン製サスペンションを取り付けるなど、シャシーについてもさまざまな技術的モディファイが施されている。 そして「アルパイン・ホワイト」のエクステリアには、アルピナの特徴的な矢絣模様のグラフィックが施されたかたわら、インテリアにはアルピナ独特のストライプ柄のレカロ製スポーツシートが新車時代から装備されている。
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