日本版GPSには7基必要、みちびき6号機を年内に種子島へ搬出
三菱電機は27日、日本版GPS(全地球測位システム)と呼ばれる測位衛星「みちびき6号機」を報道陣に公開した。みちびきは政府が7基体制での運用を目指して開発を進めていて、6号機は主力ロケット「H3」で今年度中に打ち上げられる。 【写真】「みちびき」を搭載して打ち上げられるH2Aロケット18号機
神奈川県にある同社工場で公開された6号機は高さ約5メートル、縦横約2・3メートル。位置情報の誤差を少なくするため、衛星の位置を高精度に把握できる機器が新規搭載された。年内に鹿児島県の種子島宇宙センターに搬出予定で、市川卓・宇宙システム事業部長は「打ち上げに向けた最終作業を確実に成功させる」と話した。
みちびきは、日本のほぼ真上に長時間とどまる「準天頂軌道」と、地上から見て常に同じ位置にとどまる「静止軌道」で運用する衛星のデータを組み合わせて、正確な位置情報を取得する。
現在は4基体制で運用中だが、他国の衛星を使わないと正確な位置情報が取得できない。単独で測位システムを構築するには7基必要で、5、7号機は2025年度中に打ち上げられる予定。政府は26年度までに7基体制の運用開始を目指すが、故障などに備えて将来的に11基体制を目標にしている。