なぜ朝倉未来は”RIZIN大晦日MVP”に「タップしていない」が急転1本勝ちとなった炎上系YouTuberシバターを選んだのか?
榊原CEOは第11試合前にリングへ上がり、来たる3月14日に2021年のRIZIN開幕戦を東京ドームで開催するとファンの前で宣言している。さいたまスーパーアリーナをさらに上回る規模の舞台に、再びシバターが立つ可能性を問われた同CEOはこんな言葉を残している。 「参戦をしてもらうに値する十分なポテンシャルというか、存在感を今日示してくれたので、今後シバター選手としっかり向き合わせていただきたいと思っています」 シバター本人はYouTuberとして、試合後の控え室で撮影した動画を自身の公式チャンネルですぐに公開。50万件を超える視聴者数を記録している動画のなかでは、裁定変更による勝利を報告するとともに、一転して敗者となったHIROYAへ敬意を表することも忘れなかった。 「HIROYAさんは僕とやっても得がなかったと思う。寝技と体重差がある僕に負けたら『K-1のプロ選手なのに』と言われるし、勝っても当たり前と言われる。そんななかで格闘技に新しいファンを入れたいと言っていて、本当にそれは男前。あっぱれです」 実は会場入りしてすぐに、2人は偶然顔を合わせている。この夜に復活の白星をあげた朝倉未来へトレーニングを申し込み、無限スパーでボコられた動画をYouTubeで見ていたHIROYAは「会ったときはすごく低姿勢で挨拶してくれて、実はすごくいい人なんだろうな」と思っていたという。 そして、今回のRIZINへ向けてトレーニングを積んだ朝倉が、控え室で戦いを見守った後に残した言葉が、シバターのすべてを物語っている。 「今日で格闘技ファンが増えたと思います。あれだけ真剣な姿が見られて感動した人も多いはずだし、プロレス的要素も含めつつHIROYA選手に勝つなんてすごい。今日のMVPじゃないですか」 泥臭いファイトぶりでコアなファンを驚かせながら、同時に新たなファン層をも惹きつける。炎上系YouTuberとしての強力な発信力に、摩訶不思議な実力を兼ね備えたシバターは「YouTubeとパチンコの営業が忙しいので、前もってオファーをいただければもうちょっとしっかり身体を作って、もっともっと面白い試合ができる」と、最後まで笑いを取ることも忘れなかった。 (文責・藤江直人/スポーツライター)