全日空が社長交代で会見(全文1)できるだけ若い世代から人選
篠辺社長在任中の最大の実績、平子新社長が就任されてからの最大の課題とは?
司会:はい。ではこれより質疑に移らさせていただきます。ご質問がある方は挙手をお願いいたします。私のほうから当てさせていただきますので、すぐに担当がマイクをお持ちします。その上で、ご発言の際にはお名前と会社名を、あらかじめお知らせ願います。よろしくお願いいたします。 テレビ東京:恐れ入ります。テレビ東京の大浜と申します。お2人に1問ずつ、お伺いしたいんですけれども、篠辺社長、あらためて振り返ってみて社長在任中の最大の実績はなんだったというふうにお考えでしょうか。また、もしこれはやり残したということがあったら教えてください。 平子さんにお伺いしたいのは、これから社長に就任されて最大の課題というのは、どんなところと捉えてらっしゃいますでしょうか。380の導入など控えていらっしゃいますけれども、お願いいたします。 篠辺:それでは私のほうから。実績ということを、どういうふうに評価するかは、しばらくのちに、皆さんにも評価いただければと思います。私自身は経営計画。特にANA、全日本空輸ということで航空運送事業についての事業計画の確実な遂行というのを最大の目標に掲げてやってきたつもりです。そういう意味では安全運行については、なんとか、つつがなくやってこれたかなということ。それから事業計画については、これも常々、申し上げてたとおり国際線が当社、あるいは当社グループの成長の柱だということで、力を入れて事業計画についても進めてまいりました。特に国際線の定期旅客運行では、私が就任したときと比べて座キロでは、おそらく60%以上、今年度、終わればですね、増えてきたということで私どものグループの成長の、まさに柱だったと思います。 実際に、いろいろなディストネーション、いろいろな条件があって、飛びたかったところを変更した中身も、中には混ざっておりますけれども、いずれも私どもが考えてた期待どおりの結果を、ここまで出すことができたと思います。 昨日の、メキシコシティ線についてはこれからだということで、いろいろなご質問もいただきましたけれども、順調にやれたということで、正直、そこは実績かなと思っております。一方でやり残しという意味では、大きなやり残しはないとは考えているんですけれども、市況を見ますと国際航空貨物、ここについてはここ1~2年、需要があまり良くなくて、私どもとしては航空貨物についての戦略については、やや修正をしています。今年度の中では需給調整をするということで、トンキロを見ていただくと分かるわけですが、計画上も伸びを抑えた形にしました。私自身は国際旅客と同じようにトンキロを伸ばしたままなんとか利益につなげなかったのですが、残念ながら需要がそうはいかなくて、供給サイドで調整をするというところになりました。 ここについてはもう少し貨物事業の競争力を付けることができれば、成長戦略のそのまんま、旅客事業と同じように柱となって進めたかなと思うので、ここについては来年度以降の中であらためて、需要については底を打って良くなりつつあると思っていますのでやっていけるんじゃないかと期待しております。以上でございます。 平子:まず最大の経営課題でございますが、最初に言えることは現場力の回復でございます。もともと私どもの会社は、現場力の強い会社だと私も自認してきておりましたが、昨年来いくつかのトラブルを起こしているということを素直に反省いたしまして、まずは現場力、基本品質の徹底的な見直しを図ってまいりたいと思います。安全運行、定時性の向上、それからオペレーションの安定、こういったことを、三現主義と申しますが、現地、現物、現実と、こういったことに基づいて、まずは現場を見て回って従業員と対話をし、お互いに腹の底まで納得するようなコミュニケーションを目指していくと。これがまず最初のやるべきことだというふうに考えています。 それから少し中期的な話になりますけれども、やはり今後の課題といたしましては、国際線事業、ここが成長の柱になっていくわけですけれども、フルサービスキャリアとしての品質、あるいは海外認知度、こういったことを高めていきたいと考えております。当然、今後のマーケットはLCCとの競合も激しくなってくるものと思われます。そういった中で当社のこれまでやってきました、フルサービスキャリアとしてのこの経験、これを今後どう生かしていくのか。これは大変な大きな課題だと考えておりますし、2020年には東京のオリンピック・パラリンピックを控えておりまして、こういったことが1つのきっかけではあるのですけれども、ユニバーサルなサービスをごく当然のように発信できる、提供できる、こういった会社になっていきたいというふうに考えています。以上です。 司会:はい、4列目の前から2番目の方、お願いします。