国民に媚びるな、それは一番いけない――杉良太郎が考える、日本の未来に必要なこと
「『ぜひ若い人たちは、一票を大事にして、よく考えて投票に行ったほうがいい』なんて言えない」。そう語るのは、歌手・俳優の杉良太郎(77)だ。慈善家としても知られ、ベトナムの里子は152人にのぼり、慈善活動に数十億円を投じてきた。そんな杉は、イデオロギーの左右を問わず、多くの大物政治家と交流してきた。参議院選挙を前にして、杉が政治家に求めるものを聞くと、驚くほど直截な言葉の数々が返ってきた。候補者に「選挙中は寝てろ」と言う真意とは?(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
投票所で書きたい名前がないので、書かないで帰ってきたこともあります
「私はこのインタビューで、『ぜひ若い人たちは、一票を大事にして、よく考えて投票に行ったほうがいい』なんて言えない。選挙について教育もされてないし、すべてを理解できているわけではない」
杉自身も若いころ、4回ほど選挙で投票しなかったことがある。 「私も、『自分の一票が、どれだけ影響があるんだ?』と、選挙に行かなかったことがあった。若いころは、政治を深く知らなかったし、誰に入れていいかわからなかった。投票所で書きたい名前がないので、書かないで帰ってきたこともあります」 選挙の際によく問われる、一票の重み。それを実感したのは、40歳を過ぎたころだったという。 「ばかだからね、いろんな経験をしてきて、40歳を過ぎたころにようやく一票の重さが、わかるようになった。選挙権って、国民の権利の中で、一番重いものだと思うし、それは絶対放棄してはいけないんだ、と。女性の参政権が認められたのが76年前だから、歴史的に見たら、まだわずかな期間です。今の若い人たちは、女性が選挙権を持っていなかったことを知らないんじゃないですかね。そこが一番大きな問題かなと思います。自分が日本国の国民であって、選挙権があるというのは国に認められているということでもある。国籍が取れない人たちも大勢いて、世界には選挙権を持たない人たちがどれだけいるかっていうことも知らない。この国で、自分の権利を示すことができる一票は大きいですよ。選挙のないときに自分がこの国の国民なんだという意識を持たせる教育を、やっていかなきゃダメですね」