投票所の張り詰めた雰囲気に抵抗がある──「政治に関心がない」というレッテルに異議、20歳・春名風花の主張
20歳の現役短大生は、この秋の衆議院選挙をどう捉えているのか。3歳でブログを書き始め、9歳で始めたTwitterで注目された“はるかぜちゃん”こと春名風花。かつて政治や社会問題に関しても鋭く斬り込み、ネット上にさまざまな論争を巻き起こした彼女は、18歳で選挙権を得る前から両親に連れられて投票所へ行っていたという。「若者の選挙(に向き合う姿勢)を、軽く見ないでほしい」。デジタルネイティブと呼ばれる“Z世代”の政治観を聞いた。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
投票所の張り詰めた雰囲気に「抵抗がある」
選挙権が18歳以上に引き下げられてから、6年が経つ。初めて「10代が投票した衆院選」となった前回(2017年)、10代の投票率は40.49%。20代は33.85%にとどまった。 「今回の選挙に関心を持っていても、実際に投票所へ行くのはなんとなくハードルが高いと思っている子が多いんじゃないかな」 そう指摘するのは、“はるかぜちゃん”こと春名風花(20)だ。 現在は短期大学で演劇を学んでいる春名。子役の頃から芸能界で活躍する傍ら、Twitterでは政治や社会問題に言及して話題となり、炎上や嫌がらせを経験することもあった。昨年、ネット上で誹謗中傷を繰り返した人物を相手取り、訴訟を起こしている(示談が成立)。 20歳になったいま、初めて投票する「衆院選」を前に、何を思うのだろうか。
──周囲の10代、20代の友人たちと、今回の衆院選について話すことはありますか? 「しますね。そんなに頻繁ではないですけど、やっぱりコロナ禍で、アルバイトができないなど苦しい思いをしてる友達も、けっこういるので。自分の生活と密着していると、意識を傾けやすいっていうところはあると思います。お気に入りの身近な話題からも、選挙の話につながることはありますね。ただ、みんな“投票所”には抵抗を感じていると思います。確かにあの独特の張り詰めた雰囲気は、若い人が一人で気軽に行ける感じではないなと」 ──若い世代が気軽に投票所へ行けない理由は、「張り詰めた雰囲気」のほかにもどんなものがあると思いますか? 「これは、いろいろあるんですよ。大学には地方から来ている友達も多くて、住民票を東京に移していないんですよね。この場合は、手続きをして、郵送で不在者投票ができる市町村が多いんですけど、わざわざ手間をかけてまでやるかな、とか」