初の富士山女子駅伝へ! 帝京科学大学・清野純一監督が説く、目標設定と継続して努力することの大切さ「競技力と人間力を」
今回の「M高史の陸上まるかじり」は帝京科学大学女子駅伝チームのお話です。今年の全日本大学女子駅伝では初出場ながら12位に入り、富士山女子駅伝の出場権も獲得。大学女子駅伝界でいま、勢いのある注目チームです。 【写真】全日本大学女子駅伝、全26チームのフィニッシュシーン 最高順位更新も!
「学生たちは努力ができる子たち」
帝京科学大学女子駅伝チームは2018年に始動し、今年で創部7年目になります。昨年3月、仙台育英高校時代に全国高校駅伝で優勝を果たし、順天堂大学時代も箱根駅伝総合優勝を経験された清野純一監督が就任。引退後は仙台育英高校や実業団での指導も経験され、陸上の現場から離れていた期間を経て、いまは帝京科学大学で指導されています。 私、M高史と清野監督は同い年ということもあり、高校、大学時代の活躍は大会などでよく見ていました。同い年の指導者が増えて、今度は選手を育てる立場で活躍されている姿を拝見すると、うれしくなりますね。ところが、清野監督が就任する前年の関東大学女子駅伝は、全日本大学女子駅伝出場権のボーダーラインまで約7分というチーム状況でした。 清野監督は「就任してすぐ学生たちと話をしました。最初に来た時は全国を目指す雰囲気ではありませんでした。学生スポーツなので、目標を決めるのはあくまで学生たちです。その上で、学生たちに目標を話し合ってもらったところ、持ってきたのが『それでも全国にチャレンジしたい』というものでした。言うのは簡単ですが、ボーダラインまでは約7分という差。相手は2km以上先にいました。可能性はゼロに近い、でも目指すなら目指すなりのことをやらないといけないよという話をしました。『それでもいいのでついていきます、やります』と学生たちは言ってきました。そこでのやりとりが、1年半という短い期間で全日本にたどり着くことができた、ひとつの大きな分岐点だったと思います」。 目標設定と、そこに向けて努力を継続する大切さを丁寧に教えていきました。「競技は下から方式です。今のレベルからまず10秒アップ。次に20秒アップ。そして30秒アップ……。継続してやっていったら、5000m16分台でしょという風に積み重ねていきました。全日本までの7分差をいきなりはね返すのは難しいですが、1年目にまずは3分差にして、今年はさらに4分縮めてボーダーを突破しました」と清野監督。今年の関東大学女子駅伝では8位に入り、全日本大学女子駅伝初出場を決めました。 「速い、遅いは抜きにして、学生たちは継続した努力ができる子たちでした。それが大きかったですね。その後は私が声をかけて『帝京科学でやってみたい』という学生たちが入ってきてくれました。これまでの指導経験をもとに丁寧に、基礎、基本を大切にちゃんとやるべきことをやれば速くなれると伝えていきました」