初の富士山女子駅伝へ! 帝京科学大学・清野純一監督が説く、目標設定と継続して努力することの大切さ「競技力と人間力を」
RPE(自覚的運動強度)を練習中から活用
清野監督が練習に採り入れているのがRPE(自覚的運動強度)という指標です。 「就任当初、みんな練習がなかなかできなくて、どれくらいキツいのか、よくわからなかったんですよ(笑)。そこで研究や実験などで使用するRPEを用いて、定期的にキツさを確認するようにしたんです。その後、キツかった練習だったのが、1カ月後、2カ月後に同じ練習を同じようにやったとき、前よりもキツくなくなっていたら、強くなっているよね、という指標にもなりました」。RPEは練習日誌でだけではなく、練習中も確認するようにしているそうです。その他、心拍数も参考にしているそうで「理屈や根拠があって、この練習の設定タイムがあるんだよと伝えるとすんなり入ってくれますね」と手応えを口にされました。 「あくまでも学生がやることですので、(指導は)競技力と人間力を磨いて、社会に出ていくための準備をすることです。たとえば目標に対して山を登るにしても、来年くらいまでは全部教えますが、登り方や方向性の出し方がわかってきたら、今の下級生が上級生になった時は、もっと自立したチームを求めたいです。そのためには一人ひとりが自立しないといけないですし『みんなならできると思うよ。それが学生スポーツだよ』という話はしています」
ポイント練習でRPEの指標を体験
RPEの指標について、実際に練習で体験させていただきました。 取材に伺った日は、全日本大学女子駅伝に向けたポイント練習が行われました。1600m×5本という内容です。1600mを走った後に少し休息をとり、全部で5本走ります。リカバリーの間に、選手自身でキツさや余裕度を確認し、自己申告でボードに示していきます。 ボードには6~20までの数字が書かれており、数字が小さい方から「非常に楽である」「かなり楽である」「楽である」「ややきつい」「きつい」「かなりきつい」「非常にきつい」という項目が記されていました。 本数を重ねるにつれて「楽である」から「ややきつい」になっていく選手もいれば、1本目は「ややきつい」で始まり、逆に刺激が入ったのか、2本目以降「楽である」になる場合もあります。僕もやってみましたが、4本目や5本目は「もう少しで終わる!」という精神的な影響からか、序盤よりも楽に感じました(笑)。 この日は追い込むトレーニングではなく、ある程度、余裕を持ちながら走る練習ということで、清野監督もフォームや余裕度に関するアドバイスを選手に送っておられました。こういったトレーニングの成果が実を結び、全日本大学女子駅伝では初出場ながら12位に! 全日本に続いて富士山女子駅伝の初出場も決めました。