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<esa>廃棄されていたプラスチックを再生樹脂に
2022年創業のesaは、これまで廃棄されていた複合素材プラスチックを再生樹脂にリサイクルし、それをプラスチックペレットとして販売している。 同社いわく、排出された産業廃棄プラスチックのうち、品質や技術的な観点から、リサイクルして生まれ変わるのは約25%にとどまり、焼却した熱で発電などをおこなうエネルギー回収のため、約60%は燃やされている。残りの15%は埋め立てや発展途上国へ処理が横流しされているという。 esaでは、特別なスクリューによる混練技術と素材ごとに調整可能な温度調整により、リサイクルが難しかった複合素材プラスチックを再生樹脂に変え、自社製品の「Repla」として発売している。 共同創業社の黒川 周子氏は、「プラスチックのエコシステムを取り巻くすべての人がCO2削減に寄与できるビジネスモデルだ」と主張した。
<komham>生ごみを高速分解する微生物群「コムハム」
2020年に創業したkomhamは、生ごみの高速分解を得意とする微生物群「コムハム」を活用して、スマートコンポストを開発。コムハムには、生ごみを最短1日で最大98%まで分解する特徴があり、通常、数週間かけて発酵させる堆肥化を高速で行うことができる。 コムハムは代表取締役の西山すの氏の父親が、15年前から生ゴミを分解し続けて変異した新種の微生物とのこと。そうした優位性から「追従できる企業はない」と西山氏。同社のスマートコンポストは、渋谷区などの12自治体、13社に導入実績がある。 すでに大型の堆肥化施設を持っている事業者向けには、コムハムを販売するビジネスモデルもある。例えば1日50トンを処理する堆肥化施設を持つ場合、初年度に1億円、その後、毎年4,000万円のランニングコストがかかる。莫大な費用に思えるが、生ゴミの受入量を増やせるため設備投資なしに売り上げを倍にでき、導入初年度にコムハムの投資分は回収できるという。
<ファミリーテック>家族のための「決済」と「アカウント」を提供
2021年に創業したファミリーテックは、「家族」にフォーカスしたフィンテックソリューションを提供する。具体的に「ファミリーバンク」と「ファミリーカード」の2つのサービスがあり、前者は家族で使える銀行口座や共有メールアドレス、ID、パスワード、後者は夫婦で使えるクレジットカードを提供している。 ファミリーテックでは、銀行口座とクレジットカードのシステムを自社開発しており、低コストで運用できる強みがあるという。現在はプロダクトのローンチから約2年が経過しており、登録ユーザー数・アクティブユーザー数ともに右肩上がりで伸びている。