夫が退職し月収が「40万円」から年金「14万円」のみに。住宅ローンを完済しているので、夫婦2人なら生活できますよね?
「定年退職後、年金だけで生活できるのか?」と悩む人は多いでしょう。住宅ローンを完済したとしても、老後には思わぬ出費が待ち受けている可能性があります。そのため、年金だけでの生活は難しいケースもあるかもしれません。 本記事では、夫婦が老後を過ごすためにかかる費用や老後に懸念すべき費用について解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
老後に夫婦で暮らすときにかかる費用
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、無職の65歳以上の夫婦が生活するためには、非消費支出が3万1538円、消費支出が25万959円の合計28万2497円が毎月かかるようです。 なお、このうち住居費の平均額1万6827円に住宅ローンの返済額は含まれていませんが、賃貸住宅の場合の家賃などが含まれているため、仮に差し引いた場合でも毎月26万5670円が必要となります。この状態で年金14万円のみで生活をすると、毎月12万5670円の赤字となるため、老後に夫婦で生活するのは厳しいと考えられるでしょう。
老後に懸念される費用
住宅ローンを完済していても、老後に懸念される費用は複数あります。多くの人がイメージするものは医療費や介護費でしょう。高齢者は基本的に自己負担額が低いのに加え、高額療養費制度も活用できるため、定年後に医療費や介護費がそれほど高額になることは少ないといえます。 前述した総務省統計局の調査によると、無職の65歳以上の夫婦にかかる保健医療費は月平均1万6879円でした。 ただし、医療費や介護費以外に懸念される費用もあります。代表的なものは以下の3つです。 ●教育資金 ●子どもの結婚と孫にかかる費用 ●リフォーム費用 それぞれ詳しく解説します。 ■教育資金 20代で子どもが生まれた場合は、定年後は子どもが自立しているケースが多く、教育資金はかからないでしょう。しかし、30代後半以降に子どもが生まれた場合は、定年後でも教育資金が必要となる可能性があります。 入学金や授業料など教育費用がかさむため、老後までに貯めておく必要があります。 ■子どもの結婚と孫にかかる費用 子どもが結婚する際は、お祝い金を送る可能性があります。株式会社リクルートが実施した「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、結婚費用に対する親や親族からの援助金は全国平均181万1000円でした(ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ)。 両家からの総額を181万1000円だとすると、それぞれ90万5500円ずつ必要だと考えられます。子どもが結婚した際のお祝い金を老後の資金だけで準備するのは難しい可能性もあるため、定年までに準備しておくと安心でしょう。 また、結婚後に孫が生まれた場合には孫にかかる費用も発生する可能性があります。孫にかかる費用として、ランドセル代や入学祝い、お年玉、帰省代、プレゼント代などが挙げられます。会うたびに食事代やお小遣いをあげていると、その費用もプラスされるでしょう。 孫にかかる費用は、数年~数十年と続く可能性があります。長期的に見ると大きな出費となるため、働いているうちに貯めておくことをおすすめします。 ■リフォーム費用 老後に懸念される費用として、リフォーム費用も挙げられます。30歳で新築の家を建てたと想定すると、定年時の65歳には築35年です。築35年となると、古くなっている部分も多くなりリフォームを検討するケースが多い傾向にあります。 どの程度リフォームするかによってリフォーム費用は大きく変動します。家全体をリフォームするとなると高額になりますが、浴室やリビングなど一部分だけであればある程度賄えるかもしれません。リフォームにあてられる予算を決め、予算内でできるリフォームを検討しましょう。