かんぽ生保問題 日本郵政社長らが辞任会見(全文2)増田氏はベストの後継者
数字へのこだわりの違いにびっくり
会社へ入ってまずびっくりするのは、数字に対するこだわりとか、だいぶ違います。それからひょっとすると自分のテリトリーはここだけだと、これ以上は自分たちは関係ないかもしれないという、自分のテリトリーをちょっとオーバーエクステンションで増やしていこうという情熱に少し欠けるかもしれないとか、幾つか特徴はありますけれども、でもこれは企業として持っている1つの特徴なので、乗り越えていくべき課題だと思っております。 幾つも、今日申し上げましたような具体的施策をつくっていけば、そういう課題は乗り越えていけるというふうに考えておりますし、乗り越えていかなければ、上場企業として立派に今後やっていけないと思っております。 2点目の問題。政官の難しさ。当然ございます。われわれまだ、政府がマジョリティー持っている会社で、いろんなステークホルダーがおります。純粋にただの民間企業というほどフリーハンドではないことは事実ですけれども、一方で非常に応援団になってわれわれをサポートしてくれる側面もあるステークホルダーも多くおりますので、こういう現実的な制約とか特徴とか、プラス面をどう乗り越えて、どう使って、いいパフォーマンスを上げていくのかというのは経営の課題だと思いますので、おっしゃるような特徴、特別調査委員会が言った、いっぱいある理由の中の2つで、そういう特徴はありますけれども、これが大きな理由でわれわれ、今、立ち止まっているというわけではございません。 司会:ほかにご質問のある方は挙手をお願いいたします。じゃあ一番後ろのほうの左の。はい。
後任の増田氏へのアドバイスは?
財界:『財界』の大浦と申します。長門さんに1点、横山さんに1点お願いします。なかなか一口には言えないことは重々承知の上でですが、次に社長に就かれる増田さんに、これを留意したほうがいいというふうに思われることが何か、この場でおっしゃれることがあれば長門さん、1点お願いしますというのが1つと、横山さんは以前の西川社長の時代もこの郵政グループで働かれたご経験をお持ちなわけですけれども、そのときと比べても難しいことがあったとか、何かご自身で、前回のときと現在とを踏まえて難しい点が、何かお感じになったことがあれば教えていただければと思います。以上です。 長門:私へのご質問から回答させていただきます。後任の増田さん、私が口幅ったく、手取り足取り、こうしたほうがいいよ、ああしたほうがいいよというようなアドバイスはございません。ご案内のとおり、県知事をされていて、県政をマネージした経験のある、マネジメントの経験者です。総務大臣もやっておられまして、まさしく私ども日本郵政が管轄されていたお役所の長もやっておられました。民営化委員会の委員長も3年やっていらっしゃいまして、私なんかよりむしろ、マクロの見知は彼のほうがずっと広いんじゃないのかなと思っております。今、考えられる候補の中でベストの後継者を選び得たと感じております。 1点、何か言ってくれといえば、ぜひ、この郵便局ネットワーク、郵政グループのポテンシャルを前向きに生かす方向で頑張ってほしいと。むろん今の問題、このかんぽの不利益問題、きちんと取りあえずしっかりと、大変険しい山ですけども登っていっていただいて、きっちりと解決していただくというのが当面のミッションになると思いますけれども、例えば2015年11月4日、三者同時上場させていただきました。海外のIRに行きまして、株の売り込みに行ったわけですけれども、何社かの海外の投資家から、当時は145年だか146年の歴史、2万4000局、40万人、毎日きちんと郵便を配達してる会社、総資産300兆と。こんな企業体はないと、ものすごい可能性を感じていると言っていただきました。むろん、上場の際も株を買っていただいた。