紀平梨花のB級国際試合チャレンジ杯出場と逆転Vの意義とは?
2月18日に発表された最新の世界ランキングでは紀平は12位。四大陸選手権のポイントが加算されて前回発表の20位からランクアップしたが、まだ上位には届いていない。ちなみに1位は平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(ロシア)で2位が銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)。日本勢の最上位は坂本花織の4位となっている。今大会の優勝で、紀平が世界選手権までには10位内に浮上するのは確実だろう。世界選手権の滑走順で不利をこうむる危険も回避したと見ていい。 中庭氏がもうひとつ今大会参加の理由にあげたのは、新しいスケート靴への慣れだ。今大会で紀平は、新調したスケート靴を下ろしたが、ミリ単位でジャンプのタイミングを探る繊細なスケーターにとって靴の「合う、合わない」は、勝敗を左右する重要なポイントになる。 「慣れる期間については個人差があります。スケートシューズは、同じ素材で同じサイズで精密に作っても感覚的に同じものはないのです。それだけに、どうフィットさせるのかは重要です。ジャンプは右足で跳び右足で着地しますから、特に右のシューズが傷むのですが、紀平さんの場合、トリプルアクセルを跳ぶことで、シューズにかかる衝撃、負担はさらに増しているのでしょう。そういう意味で世界選手権前に新しいシューズを試すことができたのは大きかったのではないでしょうか」 世界選手権へ向けて準備は万全に整った。 フリーの演技終了後、紀平も「私の今できる最高かなというくらいの演技だった」と語り、自国開催となる世界選手権へ向けて「世界選手権は、絶対にやるしかない状況でのショート、フリーになると思うので、今回のフリーみたいな気持ちでノーミスでできるようにしたい」と決意表明している。 紀平の最大のライバルとなるロシアの代表3人は、ザギトワ、欧州選手権で勝ったソフィア・サモドゥロワ、欧州選手権4位のスタニスラワ・コンスタンチノワと発表された。だが、トリプルアクセルを跳べるエリザベータ・トゥクタミシェワとメドベージェワの2人が、補欠に入っていて直前まで誰と入れ替わるか予断を許さない状況。 しかし、相手が誰であろうと、紀平が「3本跳びたい」というトリプルアクセルを成功させれば敵ではない。