【今さら聞けない時事問題が100%わかる!】ホンダが苦境の日産を救う「真の狙い」とは?
「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。(構成/上栗崇) 本連載は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの質問を、先輩であるアカツキ記者が答えていく会話形式で構成されています。今回のテーマは「ホンダと日産の統合」です。 ● 先輩、ホンダと日産自動車をくっつけるのにどんな意味があるんですか? 吉田くん(以下、吉田):先輩、ホンダと日産自動車が一緒になるっていうニュースで持ちきりでしたけど、会社をくっつけるのにどんな意味があるんですかね。だってもし鷹の爪団とショッカーが統合したら、うちの総統は絶対にトップじゃいられないじゃないですか。僕そんなの絶対反対です。 アカツキ先輩(以下、アカツキ):まぁ、ショッカーの首領は恐ろしい怪人で、吉田のところの総統はただのおっさんだからなぁ。 吉田:あ、先輩いま「日産」と「おっさん」をかけましたね。 アカツキ:全然かけてないわ。秘密結社同士の統合は命がけになりそうだが、企業の統合も負けず劣らず大変だぞ。ホンダと日産は経営統合に向けた交渉を始めていることがわかったが、幹部や社員みんなが経営統合に賛成してるわけじゃない。トップ人事を含め、いろんな条件で折り合えなければ交渉が決裂する可能性だってある。 ● あんなに街中に日産の車が走っているのに、もうかってないんですか? 吉田:なら最初から統合交渉なんかしなけりゃいいじゃないですか。なんで急にそんな話になったんですか。 アカツキ:急に、というわけじゃないんだ。ホンダと日産は2024年3月、電気自動車(EV)などの事業で協業すると発表した。協業の内容などを話し合う中で、経営そのものも統合する方向に議論が進んだようだ。大きな理由とみられているのは、日産の経営不振だ。 吉田:えっ、あんなに街中に日産の車が走っているのに、もうかってないんですか。 アカツキ:日産は世界のメーカーの中でもいち早くEVに軸足を移した。ところが、一時は絶好調だったEVが世界的に売れなくなり、アメリカなどではトヨタ自動車やホンダが得意とするハイブリッド車に人気が集中している。EVの時代が来ると読んでハイブリッド車に注力しなかった日産のもくろみが狂ったこともあり、2024年11月に発表した中間決算は前年同期比9割減というとんでもない数字になってしまった。日産の時価総額(会社の価値)は、トヨタの25分の1、ホンダと比べても4分の1にまで落ち込んでいるんだ。