福島「県民健康調査」検討委の星座長が会見(全文1)甲状腺検査など
福島第一原発事故の発生から間もなく5年を迎えるが、福島県の県民健康管理調査検討委員会の星北斗座長が7日午後3時から、東京の外国特派員協会で記者会見した。 動画】放射線と甲状腺がんの因果関係は? 福島健康調査検討委の座長会見 福島県では、原発事故で放射線の影響をどの程度受けたのかを長期的に調査しており、県民対象に甲状腺検査などを行っている。星座長はこれまでの報道で、いま見つかっている甲状腺がんと放射線の因果関係について「影響は考えにくい」との見解を述べている。
「県民健康調査」について
星:「県民健康調査」検討委員会の座長をしています、星といいます。今日は皆さんにこうやってお向かいいただきまして、大変感謝しております。 今日お渡ししましたハンドアウトは大変多くなってますが、本日の説明は少しかいつまんで説明をさせていただきます。皆さまのお手元に置いていただきまして、ご活用いただきたいと思います。それでは始めます。 これがいまのわれわれのコミッティーのメンバーの一覧でございます。いまのわれわれがしている仕事の位置付けでありまして、われわれのこのコミッティーは専門的な立場から助言をし、調査がうまくいくようにということを助言するというものであります。 これは調査の全体を示したものになりまして、どちらかといいますと、この甲状腺の調査に非常に注目が集まっていますけれども、このように多くの調査を総括して「県民健康調査」と呼んでいます。この中でベーシックサーベイ、基本調査というふうに呼んでいるものがあります。これは外部被曝線量を環境の持っている線量から推計して、個人の線量を推計するというものであります。事故後4カ月間の累積の線量を計算するというものであります。 それに対する、これは福島の地図が出ておりますが、分からない方にはあれかもしれませんが、この右側の赤い星印のあるところが第一原発であります。約200万人の県民を対象にしておりまして、その中から56万4000人という方からご返答いただいて、約27%の方が返答していることになります。 で、見ていただくと分かりますように、県全体の99.6%がこの4カ月間の外部被曝線量、これ、追加線量という意味ですけれども、これが5ミリシーベルト未満という結果になっています。これがその結果の一覧でございますので、ご覧をいただきたいと思います。これもその様子を示しているものであります。当然のことながら原発から離れた地域のほうが線量が低いという傾向にございます。もちろん天候の影響を受けてますので、距離に完全依存しているわけではありませんが。 これは甲状腺の超音波検査についてのスライドです。目的の中に書かれていますとおり、チェルノブイリでの経験をもとに、小児の甲状腺に対する影響がとてもセンシティブに起こりうるという可能性があることから、この調査を始めるということになりました。特に長期間にわたって子どもたちの甲状腺を含む健康を見ていくということが、大きな目的になっています。