福島「県民健康調査」検討委の星座長が会見(全文1)甲状腺検査など
妊産婦に関する調査について
それと、妊産婦に関する調査というのも実施しております。これは対象期間中に妊娠が分かった方、具体的には母子手帳をもらった方を対象に全数、調査の対象にしています。先ほどの心のケアなどと同じですが、やはり、震災後に、あるいは震災のときに自分が妊娠をしているということに対する不安は非常に大きかったと思います。これをなんとか軽減するということが1つの大きな目的になります。 このように電話での相談がメインですけれども、必要な場合には市町村につなぎまして、市町村の保健師さんに訪問していただくなどということを通じて、できるだけ相談に応えるような努力をしています。これは皆さんが、もしかしたら漠然として持つ恐怖といいますか、問題意識なのかもしれませんが、妊娠に伴うさまざまなデータが変化するのではないかという疑問もありました。ご覧のように低体重出生、あるいは早産、あるいは先天異常、先天異常の発生率その他、大きく前後で変化ございませんし、全国の統計と比較しても大きな変化はありません。それぞれの欄の括弧の中の数字は全国の数値であります。 妊婦さんの調査の結果でありますが、産後のうつというのがございますが、これに着目したものであります。このうつ傾向の示す妊婦さんはご覧のようにだんだんと減ってきております。 これが、今までに説明しましたのがこの調査の概要とその結果の概要であります。現在、中間取りまとめ、この調査の中間取りまとめを作る作業をしております。この年度の間にできればまとめて公表したいと考えています。 われわれ、非常に不幸な状況に置かれました。一方でたくさんの健康指標にも変化が見られました。福島というところはもともと健康指標が決していいところではありません。医療従事者も決して十分な数いるとは思えません。しかしわれわれはこの経験を単純に第一原発の事故のせいというようなことではなくて、われわれの健康をもう一度見直すチャンスに変えていく時期が来ているのではないかと、私自身は思っています。 ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、福島でいたおかげで、むしろ健康に注意するようになり、健康指標が改善し、そして1人1人の県民が健康に対する意識を高めてくれることを心から願っています。私からのお話はこれで終わりにします。