今日スノーボードHPに登場!平野歩夢は“最強兵器”「トリプルコーク1440」で金メダルを獲得することができるのか
平野歩は昨年10月、スイスのサースフェーで行っていた合宿でトリプルコーク1440を成功させたが、その場に2014年のソチオリンピックで、スロープスタイルの金メダルを獲得したセージ・コッツェンバーグが居合わせた。彼は午前中に練習を終えて引き上げようとしていたが、平野歩が午後からパイプに入り、トリプルコーク1440にトライすると聞いて、山に残ったという。そのときの様子を、「The Bomb Hole」というスノーボードのYouTubeチャンネルに出演し、こう話していた。 「アユムがドロップ・インすると、『来た、来た』という感じで、みんな視線を一点に集中させた。実際に成功させると、辺りは静まり返った。誰もが言葉を失ったんだ。口を開けたまま、立ち尽くしていた。アユムが下まで行くと、今度は、『スゲー!』って感じで、大騒ぎになったんだけど、個人的には、鳥肌が立ったよ」 トリプルコーク1440とはそういう技。ゲームチェンジャーなのである。 ただやはり、あのホワイトがあきらめたように色んな意味でリスクが大きい。平野も今季は、先ほど触れたXゲームの他、昨年12月にコロラド州カッパーマウンテンで行われたDEW TOURスーパーパイプでも決めたが、いずれも次のトリックの着地でバランスを崩した。戸塚、平野流もまだ、大会では成功させていない。しかも今回は、初めてのパイプ。慣れるための練習時間も普段より短く、よりリスクは高くなる。 おそらく今回のハーフパイプでライバルとなるホワイト、今年のXゲームでハーフパイプを制したスコティ・ジェームズらは、仮に練習で成功させていたとしても、トリプルコーク1440をルーチンから外してくるのではないか。であれば、平野歩らも必ずしもリスクを冒す必要はない。トリプルコーク1440を回避しても十分に戦えるはず。 その場合は金メダル争いが混沌とする。平野歩、戸塚、平野流の3人に加え、ジェームズ、ホワイト、テイラー・ゴールドも絡んでくるのではないか。ダークホースと目されているのが平野歩の弟で1月のXゲームで3位に入った平野海祝とオーストラリアのヴァレンティノ・グセリ。グセリは昨年3月、ハーフパイプのストレートエアの高さが7.3メートルに達し、世界記録(それでまでの記録はホワイトが2010年に記録した7メートル)を作った。技術的にはまだ粗いが、まだ16歳。次の五輪では、確実にメダル争いをする逸材と見られている。