公衆トイレに遺棄 ケージの中で震えていた兄弟猫 「犬を飼いたい」と思っていた家族が一目ぼれ
譲渡活動にも取り組む愛護団体・アニマルサポート高知家。同団体が開催する譲渡会場に、ある家族が訪ねてきました。聞けば「犬を飼いたい」とのこと。 【写真】みつばとたらは一緒に迎えられることに この日の譲渡会は保護犬はお休みで全てが保護猫。「犬もかわいいですけど、猫もまた違うかわいさがありますよ」と団体メンバーが2匹の猫を紹介すると、その家族は全員一目惚れしました。
公衆トイレでの発見後、見知らぬ人間を次々と前にした兄弟猫
この2匹の猫は、みつばとたら。元々は高知県内の公衆トイレに遺棄されていた兄弟猫でした。発見時いったん警察に捕獲された後、団体に引き取られることになったわけですが、2匹は警察署の大きなケージの中の隅で体を寄せ合いおびえるように人間を見ていました。 団体に引き出された後もエサにもあまり口をつけないほどの警戒ぶり。少しずつ警戒心が解け、エサを食べられるようになってからも、下痢をしたり体重が減少するなど不安定な様子でした。 人間から連れ出されて公衆トイレに棄てられ、突然現れた警察官に連れられ見たことのない大きなケージに入れられ、さらにまた知らない人に連れて行かれたという経緯ですから、心身が不安定になるのは当然かもしれません。
兄弟一緒のトライアルで、すぐに本来の性格を出すように
こんな経緯があったみつばとたらですが、「全員一目惚れした」という家族のもとで、譲渡前のトライアルをスタート。まずは家族のもとで本当に過ごせるかを見極めることになりました。 みつばもたらも、2匹一緒に迎えられたことと、そしてこの優しい家族の元でのトライアルだったので、すぐに本来の性格を出しリラックスして過ごすように。そして、後にはこの温かいお家の「家族」として正式に迎えられることになりました。
優しいお兄ちゃんが疑問に思った「叱り方」
ただし、お家で特に2匹のお世話をするお兄ちゃんは、一つ心配ごとがありました。それはみつばとたらがイタズラや粗相をした際の「叱り方」。当初オドオドしていた2匹を思い、お兄ちゃんは「叱り方も気を使わないといけない」と思っていたのです。 そんな優しいお兄ちゃんの思いを前に、団体はこう教えてあげました。 「猫は音に敏感。イタズラをしたときには手をバチン叩いたり、音を出して気をそらしてみて。決して名前を呼んで怒るようなことはせず、ゆっくり優しく『それはやっちゃダメだよ』と遠回しに伝えてあげてね」 これを受けたお兄ちゃんは、その通りにみつばとたらに接し続けました。すると、2匹ともに少しずつイタズラや粗相をする機会が減り、少しずつお利口さんになっていきました。 こんなに優しいお兄ちゃんをはじめとした家族の元で、みつばとたらは、一歩ずつの成長と幸せな猫生を掴むことができました。 (まいどなニュース特約・松田 義人)
まいどなニュース