笹原右京選手(No.37 Deloitte TOM’S GR Supra)「メカさんたちのピット作業を見て、鳥肌が立った」 | SUPER GT 2024 第6戦 SUGO【SUPERGT あの瞬間】
── ちなみ、腹をくくってどのタイヤを選択したのですか?
笹原:簡単に言うと、持ってきてるなかで一番硬いタイヤでした。ドライアップしていくコンディションに合わせたタイヤを選びましたが、レース中はあまり周りの状況がわかってなくて。他のクルマがどういうタイヤを履いているのか、ある程度インフォメーションをもらってはいたんですけど、レース後に聞いてみたら、(硬いタイヤを選択していたのは)決して僕だけでじゃなかった(苦笑)。けど、(タイヤを)うまく使いこなせた部分はあったのかなと思いました。どういう展開でどういうポジションになっていくかという“読み”もそうだし、そこに向けてのチームみんなで取り組んだ準備が本当に完璧だったのかなと思います。
── まだ雨の残るなか、難しいコンディションをものともせずジャンプアップ。走行中は、“ゾーン”に入っていた感じですか?
笹原:そうですね。本当、なんか程よいバランス状態に自分もいられたかなと。あとで振り返ってみるとそう感じられた部分がすごく大きくて。さっきも言ったんですけど、行くとこは行かないといけないし、うまくマネージメントするところはマネージメントしないといけなかったんで。そこで、いわゆる“ゾーン”っていうところに少し入っていたのかなと思います。
── 25周目にセーフティカーが導入されました。この時点でもうすでに4番手に浮上していましたが、リスタートに向けて前方のNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT、さらにNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraをどう攻略しようと狙っていましたか? 結果的には僚友のトップNo.36 au TOM’S GR Supraも逆転するという、劇的な瞬間が続きました。
笹原:一刻も早く抜きたいという気持ちではなく、あのとき、ピットウィンドウはもう開いていた(ピットインが可能だった)し、いずれかのタイミングでみんなピット入らないといけないと思うなか、多分できる限りスティントを伸ばしたいと思ってる人たちがたくさんいたと思うんです。もう完璧にドライコンディションで行けるかっていうと、すごく微妙な状況だったと思うんですよね。まだ確信が持てないような状態というか……。なので、まずは17号車をオーバーテイクしたんですが(トップの)36号車(はタイヤの状態)がだんだんキツくなっているのは無線で情報をもらっていました。ただ、(2番手の)14号車のペースは良さそうだったんで、うまく(36号車と14号車の)間に入りめたらなんとかトップまでいけるかもという見込みはあったので、考えながら走ってたんです。けれど、身体が自然とうまく反応できたかなという感じで。そこは本当に自分のなかではひとつ大きな収穫だったというか、すごくいい状態にあったのかなっていう感じはしますね。