〈ファジアーノ岡山J1初昇格〉「子どもたちに夢を!」広島へのライバル意識で成長続ける、木村正明オーナーのクラブ創設からの思い
スタジアムの建設地元への恩返しと次なる夢
社会人1年目の1993年にJリーグが開幕した感動は今も忘れることはない。そして、2006年からクラブ運営に携わって16年。 私自身もそうだが、一度、東京など都会に出た人材が地元に戻って働く場の受け皿になれたと自負している。 地元で働く優秀な人材を引き抜いたりすれば軋轢が生じるが、都会の人材であればそうした問題は起こりにくい。子育てや介護など、ライフステージの変化に合わせ「そろそろ地元に帰って働きたい」と、東京の大企業で働いていた人材が何人もファジアーノに入社してくれた。こうした「Uターン」は、他のクラブでも起きているはずだ。 私自身、浪人中に父親を亡くしたことで、大学入学後は、運動会ア式蹴球部(編集部注・サッカー部のこと)の入部を断念せざるを得ず、併設された準体育会でプレーしながら、地元の方々の支援によって何とか大学を卒業することができた。やはり、地元に恩返ししたいという思いが心から離れることはなかった。 ファジアーノ岡山がJ1に昇格したあかつきには、クラブも応分の負担をしたうえで、スタジアムを建設したい。それが、私が目指す次の地域活性化であり、地元への恩返しだ。
友森敏雄,野川隆輝