特別講師に豊田章男、井上康生、ホリエモン…岡田武史が学園長のFC今治高校で目指す、ロールモデルのない時代に大切な「エラー&ラーン」教育
トヨタの豊田章男会長の特別授業
特別授業にはいろんな人がやってくる。 一例を挙げてもサイボウズ代表取締役社長の青野慶久、男子日本柔道前監督の井上康生、起業家の堀江貴文……10月にはトヨタ自動車会長の豊田章男までやってきた。 講義ではQ&Aセッションという形で生徒たちに自分の経験談を伝え、またドライバー「モリゾウ」の顔を持つ豊田会長はラリーカーの助手席に生徒を乗せて校庭を走らせ、大いに盛り上がったという。 岡田が深く感謝する。 「会いたいって言ってもらったんで章男さんのオフィスに行ったんだよ。そうしたら『岡田さんの考えに共感します。僕も講師やれませんか?』って、章男さんのほうから言ってくれて。 わざわざラリーカーを陸送して、生徒たちを乗せてくれて。生徒たちもすごく喜んでいたよ。 章男さんもそうだけど、講師の方もみんなびっくりするんだ。こんなにいろいろと質問してくる学校は初めてだって。あいつら、誰が来ても質問攻めにするから(笑)」 今治と首都圏を往復する多忙な日々ながら、今治にいるときは学園長としてなるべく学校に顔を出すようにしている。生徒たちの成長を見守るのは「ホント楽しいよ」と言い切る。 「4月に始まって半年経ったら、目ん玉飛び出すくらいみんな成長してくれている。こっちの想像をはるかに超えているよ。教育というのは社会に出るための準備。 でも社会がこれだけ変わっているのに教育が変わらないのはおかしい。俺は教育に関してはもちろん素人。でもやってみなきゃわからないし、正解もわからないんだから俺もコーチも生徒たちと一緒になって失敗しながら学んでいけばいい。ダメだったら修正すればいい。 そうやって割り切って踏み出したら、いろんな人がプッシュアップしてくれている。講師の人は、みんな向こうから“やりますよ”って言ってくれるから嬉しい限りだよ」 失敗を恐れることなく、生徒たちと一緒になって進んでいく。共助のコミュニティを担っていくこれからの人材を育てていくために――。 取材・文/二宮寿朗 撮影/近藤 篤 ※「よみタイ」2024年12月30日配信記事
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