2000万円オーバー! アーマーゲーと呼ばれていた時代のメルセデス・ベンツ「500TE AMG」は世界に1台しかない超希少車でした
エスティメートを下回る価格で落札
幸運にもこの「500TE」に出会ったことのあるエンスージアストたちによると、テイラー氏はこのクルマをこよなく愛しており、自身のビジネスであるAMGウェストの社用車としても愛用していたという。たしかにその使われ方を物語るように、インテリアなどには明らかな使用感が見受けられる。 また、ボナムズ・オークション社の公式ウェブカタログ作成時の走行距離は8万2894kmだったそうだが、テイラー氏が亡くなってからはガレージ内に保管されていた。 メルセデス・ベンツのエステートワゴンは長い間、熱狂的なファンを獲得してきたいっぽうで、S123は近年ではコンディションの良い個体が少なくなってきているため、コレクターも注目しているようだ。 公式カタログでは「この素晴らしく希少な500TE AMGは、間違いなく私たちが出会ったメルセデスの中でもっともクールなワゴンの1台であり、週末の“カーズ・アンド・コーヒー”で、あるいは子どものサッカーの練習を終えたあとにタイヤスモークとV8サウンドに包まれながら帰るときに、主役になれるポテンシャルを充分に秘めている」という、いかにもアメリカ的なPRフレーズを添えつつ、15万ドル~18万ドル(約2197万円~2636万円)というかなりの自信をうかがわせるエスティメート(推定落札価格)を設定した。 なお、今回の「AMG Rediscovered Online」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件とされていた。したがって、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう可能性もある。 しかも、エスティメートの段階からけっこう高価だったこともあって、「リザーヴなし」ではしばしば起こりうる安価な落札もオーナー側では危惧されただろうが、実際のオンライン競売ではその不安が的中。 1週間に設定されたビッド(入札)期間中にも大きく伸びることなく、結局エスティメート下限を下回る13万8000ドルで落札されるに至った。 すなわち、現在のレートで日本円に換算すれば約2020万円。現在の慢性的な円安の為替レートではけっこうな高価にも感じられるものの、唯一無二のAMG製スペシャルカーであることを思えば、落札者にとってはなかなかリーズナブルな買い物だったようにも思われるのだ。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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