”うまく自己主張する技術”である「アサーション」を知っていますか?言い回しをほんの少し変えるだけでできる「自分も相手も大事にするコミュニケーション」
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第42回 『“モラハラ”は「精神的に自立できていない」ことの証拠…そのイライラ、本当に「他人のせい」ですか?』より続く
自己主張の仕方とは
「アサーション(assertion)」という言葉をご存知でしょうか。 直訳すると「自己主張」で、「自分も相手も大事にするコミュニケーション方法」のことです。 相手の意見を尊重しつつ、自分の主張もしっかり行うというもの。「相手を怒らせたり、嫌な思いをさせずに、うまく自己主張する技術」と言えばいいでしょうか。 アメリカの心理学者、ジョセフ・ウォルピが1950年代に行動療法の一種として紹介したとされています。
うまく自己主張をするために
とくに、1970年代のアメリカ社会では人種差別がクローズアップされ、そうした対立を乗り越えるコミュニケーション方法として広まりました。 アサーションを身につけることで、相手に不快な思いをさせずに断ったり、自分の要望を率直に伝えることができます。 離婚相談に来る方の中には、言いたいことを相手に言えずに我慢している人が多いと感じます。そういう日々のストレスのためか、ふとしたはずみで怒りのマグマが大噴火してしまう人もいます。 逆に、普段からうまくお互いに自己主張できている夫婦は、トラブルも少ない傾向にあります。 上手な自己主張とはどのようなものでしょうか。