時価総額10兆円を突破した任天堂、ファミコン誕生40年にマリオ映画も大ヒット 気になる後継機は?ゲームに迫る「スマホ対応」にどう向き合うのか
任天堂の時価総額が今年1月、初めて10兆円を突破した。そのきっかけは、主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の後継機を巡る米メディアCNBCの報道だった。ゲームファンだけでなく、世界の市場関係者からも注目されるようになった任天堂にとって、2023年は飛躍の年だった。 【写真】任天堂の直営店に飾られたキャラクター
「マリオ」のアニメ映画が大ヒットし、家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」の発売40周年も重なった。直営のオフィシャルストアには国内外から多くの客が訪れる。子ども向けだったゲームを日本の代表産業に育て、次の一手が常に注目される任天堂の戦略を取材した。(共同通信=小林笙子、木村遼太郎) ▽マリオにドラクエ、ゼルダ…名作ソフト次々に 国内最大級の直営店「ニンテンドーオオサカ」。大丸梅田店(大阪市)館内の店舗は連日、訪日客らが訪れ盛況が続いている。昨年12月19日、台湾から妻と訪れたリー・ディン・シューさん(50)は「ゲームがきっかけでマリオの大ファンになった。店内はグッズがたくさんあって、とても楽しい」と笑顔を見せた。 任天堂を代表するキャラクターとなったマリオは、1983年7月15日に発売されたファミコンで登場した。価格は1万4800円。ゲームセンターや喫茶店で遊ぶのが一般的だったゲームを家の中で気軽に楽しめるようにした。カセットを入れ替えるだけで別のゲームを楽しめるという点も画期的だった。
「ドラゴンクエスト」や「ゼルダの伝説」など数々の名作ソフトが生まれ、多くのファンを獲得。世界で本体は6191万台、ソフトは累計で5億本超を販売した。 ▽マリオはゲームの枠を超えて映画でも活躍 マリオは、1981年にアーケードゲーム「ドンキーコング」で初登場した。大きな鼻、赤い帽子と青いオーバーオールを着た姿が特徴的だ。1985年発売のソフト「スーパーマリオブラザーズ」は記録的な大ヒットとなり、累計4024万本が売れた。 昨年はマリオを題材にしたアニメ映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が世界で歴代アニメ2位となる興行収入を記録。約11年ぶりとなる完全新作ソフト「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」の発売など、イベントが相次いだ。マリオ人気の高さを裏付け、関連グッズやスイッチの販売を押し上げるとの期待が市場に広がった。 ▽ライセンスビジネスに力を入れる任天堂、テーマパークにも進出