時価総額10兆円を突破した任天堂、ファミコン誕生40年にマリオ映画も大ヒット 気になる後継機は?ゲームに迫る「スマホ対応」にどう向き合うのか
任天堂はゲームの枠を超えたライセンスビジネスに注力している。2016年、テーマパーク運営を手がける米ユニバーサル・パークス&リゾーツと共同で、ゲームの世界を実体験できるテーマパークを展開すると打ち出した。 2021年には大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に、マリオの世界を再現したエリアが開業。今春には世界初となる新エリア「ドンキーコング・カントリー」がオープンする予定だ。昨年12月に会見したUSJ運営会社のジャン・ルイ・ボニエ最高経営責任者(CEO)は「クオリティーには絶大な自信がある。スケールアップした体験を届けられる日が楽しみだ」と意気込んだ。 ▽ゲームの基礎を築いた任天堂、次の一手は? 家庭用ゲーム機は、画質の向上やインターネット接続といった新しい機能を加えながら進化してきた。パソコンやスマートフォンでゲームを楽しむ人も増え、消費者が求めるレベルは高くなり続けている。ファミコンの後継機に当たる「Wii(ウィー)」や携帯型の「ニンテンドーDS」などヒット商品を生み出した任天堂が、どんな「次の一手」を打ち出すかに関心が集まる。 現在主力のスイッチは2017年の発売から7年となり、累計販売は1億3千万台を超えた。ゲーム市場の基礎をつくった任天堂への期待は大きく、スイッチの後継機を巡ってネット上ではさまざまな臆測が飛び交う。
任天堂の古川俊太郎社長は昨年11月の記者会見で「常に研究開発をしており、それ以上のコメントをすることはない」と述べるにとどめ、臆測については「事実ではない」と真っ向から否定した。 市場の期待も高まっている。米CNBCが後継機の発売時期について今年中になりそうだとの市場関係者の声を報じたところ、1月10日の東京株式市場では、任天堂の株価が大幅続伸。株式分割を踏まえた基準で上場来高値を更新し、時価総額が初めて10兆円に到達した。花札やトランプで出発した会社が、東証プライム市場のトップ10レベルの規模にまで成長した。 東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「ゲームだけでなく映画でも成功を収めたことで、子ども向けのゲームを作っている会社から、文化を生み出す会社へと変化した。市場価値は高まり続けている」と分析した。 ▽専門家が評価する任天堂の功績は? 任天堂の功績について、ゲーム業界に詳しいファミ通グループの林克彦代表は次のように話した。