小児科医の解説で、乳児子育ての「困った」が「わくわく」に変わる!赤ちゃんのメカニズムを知って子育てをもっと楽しく【書評】
核家族化や少子化が進む現代社会では、赤ちゃんとの接点が少なくなり、初めての育児に不安を感じやすい。そんな不安を和らげ、赤ちゃんとの生活をより楽しくしてくれるのが『マンガでわかる! 赤ちゃん大図鑑 子育てで本当に役立つ100のひみつ』(Dr.リノ、こげのまさき/KADOKAWA)だ。本作は楽しいマンガと分かりやすい解説で、新米ママパパの心強い味方となってくれる。 【漫画】本編を読む
思わずビクッと手をあげる新生児特有の「モロー反射」や、いつもと違ううんちの色。月齢ごと、症状ごとに「困った!」「不思議!」「どうしたらいいの?」と保護者が感じる場面がマンガで描かれ、その疑問に対して小児科医のDr.リノが優しく解説。赤ちゃんの世話や発達に関する重要な知識が、理解しやすい形で描かれていく。 本作の魅力は、単なる育児マニュアルで終わらず、赤ちゃんの不思議さや愛らしさを伝えている点にある。知らないがゆえの不安で、今だけのかわいさを見過ごしてしまってはもったいない! 知識を得て、育児の大変さの中にも喜びや発見を見出せるよう導いてくれるのだ。 また、コラムや専門家のアドバイスが充実しているのも嬉しいポイント。専門医への相談が必要な場合の判断基準も示されており、育児中の不安を軽くしてくれる。 SNSなどで他の親子と比較し、落ち込んでしまいがちな昨今。本作は「子どもの発達も親の成長も個人差があり、マイペースでいいんだよ」と訴えかける。これは多くの親の心が救われるメッセージだ。 現在子育て中の人や、これから親になる人はもちろん、乳児期の子育てが終わった人にもおすすめしたい。懐かしさを感じるとともに、育児の新しい知識を楽しむことができるはずだ。昔の常識とは違う点や、今のやり方にはしかるべき理由があってのことだ、と理解してもらうために、祖父母の立場の方にもぜひ目を通してもらいたい。 本作は赤ちゃんとの生活を楽しみ、心を軽くする、乳児子育ての心強い味方だ。新米ママパパはもちろん、祖父母や保育士など、赤ちゃんに関わるすべての人におすすめしたい。 文=ネゴト / Ato Hiromi