高卒直接メジャー決断 桐朋・森井翔太郎をドラフトで強行指名する球団はあるのか
新たな時代の幕開けとも言えるでしょう。 偏差値71を誇る東京の難関進学校・桐朋高の今秋ドラフト候補・森井翔太郎がこのほど、高卒即MLB球団入りを決断。過去、ドラフト会議で指名漏れ後、MLB球団とマイナー契約した高校生はいましたが、ドラフトの上位候補が「即MLB」を志すのは極めて異例の事態です。 【画像】押さえておきたい「2024ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手のプレー写真&寸評を一挙紹介 スポーツ紙のデスクは言います。 「森井を擁する桐朋高は今夏の西東京大会2回戦で、都立の強豪・富士森高を相手に初戦敗退したのですが、試合が行われた府中市民球場にはメジャースカウトも含めてNPBスカウトが大挙足を運び、異様な注目度を見せていました。森井の意志を尊重するために、桐朋高側はNPB球団に『指名お断り』の文書を送付し、理解を求めているそうです」 投げては最速153キロ、打っては高校通算45発を誇る「投打二刀流」の逸材だけに、調査を進めてきたNPB球団としては「即MLB」は悔しい事態かもしれません。 となると、記憶は2012年の秋にタイムスリップしていきます。花巻東・大谷翔平(現ドジャース)を巡る、「日本ハム1位強行指名」です。 前述のデスクは続けます。 「あの時の大谷は、高卒即MLB球団入りを公言していました。いち早く自身の能力を評価し、常に見守ってくれていたドジャースに対する恩義もあったと伝えられています。しかし、日本の宝を海外に流出させてはいけないという強固な思いとともに、ドラフト会議前に日本ハムが1位指名を表明。当日に指名を強行しました。当初は大谷の意志は固く、翻意は難しいのではとのムードだったのです」 それを覆したのは日本ハムの「どうしても来て欲しい」という熱意と、前代未聞の「投打二刀流プラン」だったことは有名な話です。 「結果的に、大谷は栗山英樹監督という稀代のアイデアマンのもと、投打両面で圧倒的な活躍を見せた上で5年目のシーズンを終えた後、MLB挑戦を決断しました。それから先の活躍については、いまさら触れるまでもないでしょう。一つ言えることは、日本ハム入団や、栗山監督との出会いこそが、現在の大谷を形成する大きなファクターになっているということです。NPB入りは決して『遠回り』ではなかったと言えるでしょう」(前述の記者) となると10月24日、森井にもNPB球団からの「強行指名」はあるのでしょうか。 「各球団とも、森井の思いを尊重し、指名を見送ることになりそうです。大谷の活躍もあり、当時と比べて、MLBは日本の高校生にとって、さらに身近なものになりつつあります。森井は英語の学習にも必死に取り組んでいるそうですし、彼の純粋な夢を後押しすることになるのではないでしょうか」(前述の記者) 新たなパイオニアの挑戦に、ファンの熱い視線が注がれそうです。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]