パブリッシャーの Amazon プライムデー収益は軒並み増加。ただし、依然としてその増減は予測困難
Googleのアルゴリズムに対応
ことしのプライムデーにパブリッシャーが直面した課題のひとつは、Googleが変更したアルゴリズムを運用開始したことで検索エンジンからの参照トラフィックだけでなく、一部のコマースコンテンツの検索ランキングも影響を受けたことだ。現在、専門知識を持つ編集者による説明を記載した商品レビューは、単に製品仕様を箇条書きにしたコマースコンテンツより優れた成績をあげている。このため、プライムデーの検索トラフィックに依存しているパブリッシャーは計画の立て直しを余儀なくされている。 シロップ氏は、「過去のプライムデーで我々のチームは『すべての最安値商品を並べた長いリスト』に頼っていたが、ことしは商品のおすすめを前面に押し出し、編集者がテストした特定の品物についての記事を執筆したり、動画を作成したりした」と語り、「この部分で大幅な増加が見られた」と述べている。 アンソニー氏は、GMGがひとつの投稿に大量のアフィリエイトリンクを入れる代わりに、商品やブランドについての独立したレビューも行うようになり、ことしのプライムデーのコンテンツ数が増加したと述べている。
アルゴリズムを優先事項にしない企業も
また、ボールドウィン氏によると、フォーブスベッティドのエバーグリーンコンテンツはGoogleのアルゴリズム更新によって最大の打撃を受け、「チームはことしを通して、適時性の利点を収益化するため特売のコンテンツに重点を置くようになった」と述べる。プライムデーには、一番のお買い得商品を取り上げた主要な特売記事が、詳しい説明と価格の比較、そして7月16日よりも数週間前から開始された定期的な更新により、もっとも高いコンバージョン率を見せたという。 一方でザ・スキムは、同社のコンバージョンのもっとも大きな要因はニュースレター配信であることから、対極的な方法を採用した。ベイカー氏は、「我々のチームは検索を決して優先事項にしないため、Googleのすべての方針に従う必要はない」とも述べている。その代わりに、ザ・スキムのオーディエンスがもっとも関心を持つと思われる商品やカテゴリーに注目し、どの商品を特売してほしいかという調査をプライムデーの前に行って、その結果をもとにいくつかのカテゴリー固有のプライムデー向けニュースレターを作成したという。 その結果、ザ・スキムのプライムデーのAmazonビューティーガイド・ニュースレターは62%のコンバージョン率を達成。「最安値の商品を提供するだけでなく、それぞれのオーディエンスとオーディエンスが何を望んでいるかに注目することが重要だ。それによって当社のコンバージョン率は最大になり、売上が前年比で大幅に増加した」と、ベイカー氏は述べている。