23kg減量した元西武・野田昇吾が1年間妻子を残してボートレーサー転身を目指すわけ
連絡は文通のみ…養成所では1年間家族と離れて生活
ボートレーサーという職業は競技の性質上、「体重が軽い」方が有利だと言われている。養成所の応募資格にも、「男性は体重49kg以上57kg以下」という条件がある。プロ野球選手としてプレーした野田は当然、「ボートレーサー仕様」に大幅な減量をする必要があり、現役引退から養成所受験までの半年間で、実に23kgもの減量を敢行したという。 ――「ボートレーサーになりたい」と伝えたときの家族の反応は? 最初、妻は大反対でした。ボートレーサーになるためには1年間養成所で過ごさなければいけないし、プロになれば今度は命の危険もあるスポーツですから、当然の反応だったと思います。ただ、僕もなかなか話しにくい部分があって、まだ説得できていない状況で減量も始めてしまったり、試験に向けて色々やっていたので、その間は結構ギクシャクしましたね。ただ、最終的には僕の人生の中で「後悔はしてほしくない」と言ってくれて、背中を押してもらえました。 ――プロ野球選手時代から23kgもの過酷な減量を行いましたが、辛くはなかった? 今、減量をやり終えて改めて思うのは「ものすごい事をしていたな」ということですね。ただ、減量期間中はゾーンに入っているような感覚で、楽しんでやれていたんです。もともと、食べてもあまり体重が増えないタイプで、走ることも大好きだったので「食べないで走れば痩せるだろう」くらいの感覚だったんですけど、いざ23kg体重を落としてみると、周囲の人からも色々と言われますし、かなりヤバいことをしていたんだなって改めて思いますね(笑)。 ――1年間の養成所生活について 10月からボートレーサー養成所に入所しますけど、実はそこまで不安はないんです。ここまでやれたという自負もあるし、この年齢になって学生時代の寮生活のように「養成所」で過ごすことは、むしろちょっと楽しみだったりもします。もちろん、厳しいところだというのはわかっているので、自分がどこまでやれるのか、不安が全くないわけではないんですけど。 ――家族とも、1年間ほとんど会えなくなる 妻もいて、子どももいるので、やはり寂しいですよ。養成所内は携帯電話も禁止で連絡も文通のやり取りだけになります。養成所の中での不安はあまりないと言いましたけど、その(家族に会えない)不安は大きいかもしれないです。ただ、そんな気持ちを打ち消すくらい、妻が「がんばれ」と言ってくれていますし、今は「やりにいくぞ!」という感覚でいることができています。 もちろん、妻にしてみれば不安が一切ない状況で送り出すなんて不可能だと思うんです。ただ、それをわざわざ言うような人ではないし、むしろ僕が少しでも不安なくボートレーサーになるという目標を目指せるように、あえてネガティブなことは口にせずにいてくれるのかなと思います。