堤駿斗、大みそかの世界挑戦者決定戦で「しっかり倒して完全復活」 来年末の世界初挑戦理想 井岡一翔に勝利のバトンを
プロボクシングの前東洋太平洋フェザー級王者で、WBA世界スーパーフェザー級9位の堤駿斗(はやと、25)=志成=が12日、東京・目黒区の志成ジムで練習を公開。元WBA世界同級王者で、現同級14位のレネ・アルバラード(35)=ニカラグア=と闘うWBA世界同級挑戦者決定戦(31日、東京・大田区総合体育館)で完全復活を果たし、来年末に世界初挑戦を狙うことを誓った。 【写真】畑山隆則氏と練習を行った堤駿斗 4月の前戦の前日計量で1・55キロ体重超過し、6カ月のライセンス停止処分を受けてからの復帰戦となる堤が、シャドーボクシングとミット打ちを各2ラウンド披露し、好調をアピールした。 「メンタルが良い状態でこれているので、そこは一番大きい。すごく良い状態で試合に臨めると思います」 新型コロナウイルス感染の後遺症に悩まされていた前戦の公開練習では、軽めのシャドーボクシングを3ラウンド披露しただけだったが、前戦後に約2カ月間休養し、症状が改善。この日は力強いパンチを放ち、動きも良かった。 4月17日に東京・後楽園ホールで行われたフェザー級10回戦の前日計量で、大幅な体重超過。試合は当日計量をクリアした堤がWBA世界同級9位だったアンセルモ・モレノ(パナマ)に3回KO勝ち。プロ5戦5勝(2KO)とした。すぐに階級を1つ上げてスーパーフェザー級へ転級することを決意。約1カ月後にはロードワークを、ジムワークは6月に再開した。 アマチュア13冠の実績を引っさげて2022年7月にプロデビューし、昨年5月に東洋太平洋フェザー級王座決定戦で同級3位だったジョー・サンティシマ(フィリピン)に3-0の12回判定勝ち。日本男子最速記録だった田中恒成(畑中)、清水聡(大橋)のプロ4戦目を更新する3戦目で東洋太平洋王座を獲得した。昨年大みそかに大田区総合体育館で、WBA世界同級15位だったルイス・モンシオン・ベンチャーラ(ドミニカ共和国)に3回TKO勝ち。初の世界ランカー対決でプロ初のKO勝ちを収めた。 同じ過ちを繰り返さないため、元プロボクサーの減量コーチに指導を依頼。食事のメニューや体内の水分量などを毎日細かく連絡を取って相談している。階級を上げた好影響を実感しているといい、フェザー級時代は減量期に白米を1日に500グラムしか食べられなかったが、今回は700グラム食べられているという。減量は残り6キロ弱と順調。「フェザー級時代はいつも削っていた筋肉を、削らずに最後いくのかなぐらいの感覚」と話した。