辰吉寿以輝の父丈一郎「辰吉流に言葉をいれさせてもらうなら…リマッチするよ」再起に期待
<プロボクシング:フェニックスバトル126大会>◇12日◇東京・後楽園ホール◇日刊スポーツ新聞社後援 【写真】衝撃のTKO、リングに倒れる辰吉寿以輝 東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦で、同級6位の挑戦者辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)が2回TKO負けを喫した。プロ10年目で初のタイトル挑戦。同級王者中嶋一輝(31=大橋)に挑んだものの、2回2分13秒、レフェリーストップによるTKO負けとなった。リングサイドで試合を見守った元世界王者で父の丈一郎(54=大阪帝拳)は「仕方ない。失神できたから、それ以上、ひどくならずに済んだ」と振り返った。 左フック一撃で倒れた衝撃のTKO決着だった。試合後には控室で息子と話したとし「試合の記憶とかわからないみたい。自分が負けたことわかっていなかった。後遺症はないと思う。ただダメージがないと思ってやれるのは本人しかわからない」と説明した。 試合内容については「僕の目からしたら左が圧倒的に少なかった」とポツリ。持ち前のプレスが少なく、本来の動きではなかったと分析した丈一郎は「周りのせいにするつもりはないけれど、圧力もあったと思う。取らなアカンという気持ちが強かったと思う。それで気持ちが先に行ってしまったと思う。これをええもんにするか、あーあ最悪だったと思うかは本人次第」と口にした。 プロ初黒星を喫した辰吉の今後についても言及。丈一郎は「僕は何も言えん。自分だったら…というのはあるけど。あんまりやんやいうことはないし、親として言ってはいけない。本人が決めるしかない」と本人の意思を尊重する姿勢。その直後に「辰吉流に言葉を入れさせてもらうならば」と前置きした上で、こう言った。「オレはリマッチするよ、と」。中嶋へのリベンジを期待していた。 ◆辰吉丈一郎(たつよし・じょういちろう)1970年(昭45)5月15日、岡山県倉敷市生まれ。4戦目で日本バンタム級王者、8戦目で当時日本選手最速の世界王座獲得。引退危機を乗り越えるも、薬師寺との世紀の王座統一戦で判定負け。スーパーバンタム級に上げるも連敗で迎えた97年11月、バンタム級に戻してのシリモンコン戦で劇的勝利。2度の世界王座返り咲きを果たした。2度防衛後、ウィラポンに敗れて陥落。1度は引退表明も撤回し、タイで2戦。戦績は20勝(14KO)7敗1分け。家族は妻るみさん、長男寿希也さん、次男寿以輝。