「表現の不自由展」中止問題 参加アーティストが会見(全文1)表現の自由に対する責任
アーチストによるコールセンターも
加藤:参加作家の加藤翼です。僕はそこにいる毒山凡太朗くんとサナトリウムの設立に尽力してきました。サナトリウムはご紹介いただいたように市民との協働、市民との連帯を示す場所です。僕らはこれから法学者やキュレーターの人たちをゲストスピーカーと交えながら、今、何が愛知で行われているのかっていうのを市民の方々と一緒に考えていきます。今、予定されているのはキュレーターの遠藤水城さん、哲学者の國分功一郎さん、法学者の木村草太さん、社会学者の毛利嘉孝さん。そこで市民の人たちの連帯を示していきたいと考えています。以上です。 司会:Next up is 高山さん。 高山:高山明といいます。Port Bという演劇ユニットをやっています。今回はパフォーマンス【アーティスト 00:26:49】の参加をしています。今回僕らがやりたいと思っているのが、コールセンターの設立です。「不自由展」が中止になった1つの背景に抗議の電話というのがありました。これは現在、県の職員の方々がやってくださっています。つまりわれわれが、アーティストが表現の自由というのを訴える一方で、最前線で抗議の電話を受け続けてきた人たちがいるということになります。 では、その抗議の声をわれわれアーティストが受けることにしたらどうだろうか。そういった意図でコールセンターをつくることにしました。その過程で公共とは何か、公共サービスとは何かということを法律家、法学者を交えてワークショップのような形で問い直していきたいと思っています。つまりこれは法的、あるいは制度的な電話対応、抗議の電話への対応の再設定の試みです。 それを身体化していく作業というのがあるんですけれども、それを演劇的な手法でやっていく。私たちが電話対応をしながら、その過程で公共とは何か、公共サービスとは何かという1つのガイドラインをつくっていきたいと思います。それは具体的には電話対応の運営マニュアルということになりますが、これは今回のあいちトリエンナーレにとどまらず、今後芸術祭、公共事業、公共の文化事業がどういうふうに存続していうか、存続していけるかという大問題につながっていることなので、これを機会に今回の一連の騒動をプラスに転化していけたらなとアーティストとして思っております。以上です。 【書き起こし】「表現の不自由展」中止問題 参加アーティストが会見 全文2に続く