就職氷河期世代のリアル…就活以外の道を選ばざるを得なかった人でもキャリア再構築は可能なのか
2025年卒生向けの就職活動は早くも佳境を迎えています。街中でまだ着慣れないリクルートスーツを着た就活生を見かけることも多いのではないでしょうか。 この記事の写真を見る リクルート就職みらい研究所の調査では、25年卒の6月1日時点の内定率は82.4%に達し、前年同時期より2.8%ポイント高く、昨年と比較して速いスピードで選考が進んでいることがわかります。 スピードが速まっている要因には、少子化による人材不足を要因とした早目の人材確保も関わっているようです。 しかし、就職氷河期の学生たちは、今の学生とは異なる過酷な状況に直面していました。当時は、大企業でも新卒採用人数を大幅削減、もしくは停止するなどしており、多くの人々が就職先を見つけることが困難な状況でした。 就職氷河期世代は、就職活動時期にどのような経験をしてきたのでしょうか。あわせて、ここ数年注目されている就職氷河期世代に向けた支援制度についても見ていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
就職氷河期世代のリアル
私は就職氷河期に就職活動をしていました。私はどうしても入社したい大手企業がありました。しかし、当時は新卒採用を中止していたため、応募すらできませんでした。その企業は、現在、60名規模で新卒採用していますが、当時はそのような状況にあったのです。 ここでは、就職氷河期の就職活動はどのような状況だったのか、私の周りの当時の就活事情についてご紹介します。 ●大企業優位な時代で内定獲得がより激化していた 現在はスタートアップ企業やベンチャー企業を就職先として選ぶ学生も増えてきていますが、20年前はベンチャー企業を選ぶことは一般的ではありませんでした。多くの人が大手企業の内定を夢見ていたのです。 しかし、そのことが、就職氷河期の内定獲得を一層困難にしていました。 ●就職を諦めた人たちの選択肢は多岐にわたっていた 内定獲得が困難であったことから、就職を諦めて大学院や専門学校へ進学する人も多くいました。そして大学院や専門学校を卒業する頃には就職氷河期も終わりに近づいており、就職の難易度は落ち着いていたかもしれません。 また、就職活動をせずに学生時代のアルバイトを大学卒業後もそのまま続け、フリーターとして生計を立てる人もいました。 こうした選択肢は、一見すると就職氷河期に限らずありふれたものに思えるかもしれません。 しかし、重要なのは「就職氷河期だからこそ、就活以外の道を選ばざるを得なかった現実」です。その選択が現在のキャリアにも影響を与えていて、課題を感じている人が多いのは事実です。