死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文7完)その判断を説明するのが責務
検査母数が違うので比較できないのでは
テレビ朝日:ありがとうございます。続いて、今日のスライドのドイツと日本の比較グラフについてのご質問です。尾身先生は、ドイツは急増な立ち上がり、日本はだらだらしてから立ち上がりとのことでしたが、母数の検査数がまったく異なるので累積感染者数の比較をしても立ち上がりの評価はできないのではないでしょうか、ということです。 尾身:これは、今のご質問は累積患者数が違う、これ、何ページでしたっけ。さっきのあれですかね。ドイツのを見せてくれますかね。ドイツは。これ、ドイツ? ちょっと見えないな、私。これ、ドイツね。結局、もちろん、これ、数が全然違うんですよね、日本とあれは。だけど私が申し上げたのは、皆さんも覚えてられるかと思うけど、最初、がっと上がっちゃうと、システムがそれで、医療システムを含めてもうそれに圧倒されるわけですよね。 で、日本の場合とドイツの場合、アメリカなんかも、ニューヨークなんかはその典型だと思いますけども、これは日本の場合には、かなり早い時期に、ここで探してくれたわけですね。それは累積患者とかそういう、もちろん数が多ければ数が、人口が多ければ感染者数は、それに、小さな南太平洋の島国と、中国と、それを比較するのは、それはできませんね、絶対数として。
違いがあっても日本は初期に見つけた
だから、それはまったく違う話だけど、だけど、国の違いがこれだけあるにもかかわらず、日本は初期の段階で早く見つけたということです。で、そのことによって、累積患者数はもちろん違うんだけど、エピカーブという、なだらかな、これはもう明らかですね、これ。エピカーブがうわっと上がっちゃったのと、少し、こういうふうに上がって、じわじわと日本は来たということ。で、これは、私は、いろんな日本の課題はありますよね。今日、課題についてはあとで言ったとおりです。ここに課題について、たくさんある。そのことはあるけど、今回は、一応、緊急事態宣言ということがあれして、で、実際は死亡者なんかが少ないのはどういう理由かというのも、いろんな国内外で、いろんな、日本は、なんかよく分からんと。 なんだか説明がつかないということもあるんで、われわれ、サイエンティフィックコミュニティーとして、あるデータで、今できる、あるのである程度説明するのが。で、もちろん課題についても、さっき申し上げましたね、いろんな課題、ある。もうこれはやっぱりトータルなピクチャーを、ちゃんとわれわれが、あるデータを基に分析して国内外に示すのがわれわれの。で、これは何を言ってるかというと、立ち上げが急に来た。で、イギリスなんかは、アメリカもそうですけど、それによって、当時の武漢もそうだったと思いますね、当然のことながら。そこでもう、日本もそれに近いことがあったんだけど、外国に比べれば辛くも避けたということですよ。辛くも医療崩壊を避けた。 それはこういうことも1つの、少しずつ、これが一遍にいったら、日本の医療関係者があれだけ努力をして、献身的な努力をしたけども、たぶん、ほかの国のようになった可能性は、可能性ですよ、は否定できないと思うけど、幸い日本は現場の人たちの努力で、こういうことが見つかったんで、で、しかもこのときにはクラスターのどこが危ないかっていうのが分かって、それも少しずつ注意喚起ができたということで、ある程度、ぐっと上がることをこういうふうにしたということは、どうも、今の段階の、今日の段階での評価はそういうことがいえるんじゃないかというのは、われわれの判断だから、その判断を社会に説明するのがわれわれの立場としての責務じゃないかということです。