【政治解説】党内から「全ての責任がとれるのは岸田首相ひとり」の声も 国民の政治不信高まる“政治とカネ” 2024年2月 最新世論調査解説
自民党支持も“厳しい処分すべき” 81%
【菅原】 “けじめ”というのはつまり“処分”ですよね。 【竹内】 そうです。政権の中枢も、「安倍派幹部への処分を何もやらないわけにはいかない」と話しています。総理に近い閣僚経験者も「たとえ安倍派に恨みを買っても、思い切って処分をやらないと政権が立っていられない」と話しています。多くの人は、「この問題で誰かが責任を取らなければならない、そうでないなら自民党として処分をしないと区切りがつかない」という見方を示しています。それは世論調査にも表れています。今回、「安倍派幹部らに厳しい処分をすべきだと思いますか」と聞くと、「思う」が81%でした。実は自民党支持層でも72%が「処分すべきと思う」と答えています。自民党の支持層ですらやはり何らか“けじめ”をつける、処分をするということが必要だと考えているわけです。私は、本来なら誰かに処分をするといわれるのではなく、自分で自分の身を処するということが望ましいのではないかと思います。けれど、それが示されないと、どんどん信頼が失われていってしまうので、こうなると、もう党として何らかの処分をせざるを得なくなるのではないかと見ています。
党内からも厳しい声「政権が倒れる」「責任を取れるのは首相ひとりしかいない」
【菅原】 「恨みを買いたくないから厳しい処分は難しい」という見方もあります。実際、岸田首相は、政治力があると言われる二階元幹事長であったり、安倍派5人衆の処分をきちんとできますか? 【竹内】 確かにそういう見方はあります。やはり、年上の人とか、力のある人に物申すというのは、なかなか普通に考えても、ちょっとおっかなかったりするじゃないですか。ただ、自民党内には「もうできるか、できないかじゃないんだ」という指摘もあります。もうそれぐらい厳しいということです。実際、ある中堅議員は「もっと危機感を持たないといけない。危険水域なんてとうに過ぎていて、本当にヤバイところまで来ている」と話しています。また、先ほども少し触れましたけれど、首相に近い議員でも「もう処分をするという方向に決断しないと、立っていられない」。つまり、「政権を維持することができない」と話していますし、もう長年、自民党の中枢にいた関係者は「すでにもう無理だ」と。「全ての責任をとれるのは、首相ひとりしかいない」とまで言っています。 【菅原】 それは岸田首相が辞める、退陣するということ? 【竹内】 そうなんです。もう、首相が辞めるということぐらいでしか、高まった政治不信を払拭するケジメのつけ方はないということです。これはかなり厳しい見方ではありますけども、そういうことを言う人もいます。 ただ、考え方を変えれば、「辞める気になればさまざまなことができるのではないか」ともいえます。もう辞めざるを得ないぐらい厳しいのであれば、ここはやはり、政治の信頼を回復するために、きちんと厳しい対応をとって、政治に対しての信頼を取り戻す。「もう一度政治家に政治を任せてもいい」と思ってもらえるように、ここはやはり岸田総理は決断をしたほうが良いのではないかと私は思います。 (日本テレビ 政治部 竹内真デスク 菅原薫解説委員) ■NNN・読売新聞世論調査 (2月16日から18日 全国有権者に電話調査) 固定電話442人 回答率62% 携帯電話641人 回答率39% 合計1083人が回答