【政治解説】党内から「全ての責任がとれるのは岸田首相ひとり」の声も 国民の政治不信高まる“政治とカネ” 2024年2月 最新世論調査解説
“支持政党なし” が約11年ぶりに50%超え 政治不信が加速
【菅原】 自民党の政党支持率も下がってきてますよね。今回の世論調査では24%。 【竹内】 そうなんです。2012年に当時の民主党から政権を奪回して以来、最低を更新してしまいました。先月も最低でしたが、さらにそれを下回ってしまったわけですね。これは、岸田首相の率いる政府、内閣支持率とは別に、自民党も信頼を失っているということの表れです。さらに深刻なのは、自民党の問題だけではなくて、野党も受け皿になれていないというところにあると思います。というのも、「支持する政党がありません」と答えている人が、今回52%と50%を超えてしまいました。“支持政党なし”が50%を超えるのは、2012年の11月以来で、なんと約11年ぶりです。もし自民党の支持率が下がっても、代わりに野党に頑張ってもらおうと思えば、野党の支持率が上がるはずです。ただ、今回は野党の支持率も上がっていません。これは、国民の政治不信の高まりを表していると思います。
信頼回復に求められる “2つのこと”
【菅原】 自民党がこれまでやってきたことが、全く響いていないわけですよね。信頼回復には何が必要と考えますか? 【竹内】 取材と世論調査の両方から見ていきたいと思います。自民党議員に取材をすると、“2つのこと”を挙げている人が多い印象です。一つは、やはり“説明”が必要だということ。もう一つは“けじめ”を取ることが必要だということです。 まず、1つ目の“説明”について。世論調査では、「自民党の派閥幹部らが十分に説明していると思うか」という質問に対して「思わない」が、前回は92%で、今回も93%と相当高い数字です。9割以上の人が同じ回答するということは、なかなかないことです。やはり収支報告書にちゃんと記載していなかった。さらにはそのお金を何に使っていたのかということに対して、今のところ“すとんと落ちるような説明”がないから、こんなにもたくさんの人が「納得できない」「説明が十分じゃない」と思うわけです。一部の議員は記者会見を開いたりしていて、「だから私は説明したんだ」と主張をする議員もいますが、もしそれが本当に納得される内容だったら、こういう数字は出てこないわけです。ある野党幹部は「自民党の調査にしても説明にしても、何にしても極めて不十分だし、国民の不信や不満に応えるものにはなっていない」というふうに指摘をしています。 【菅原】 これは決して厳しい指摘ではないと思います。自民党が所属議員に対して行ったアンケートでも、公表は匿名でしたよね。その時は、自民党内からも「こんなの意味ない」というような声も上がっていました。やはり、いかにオープンにするか、というところが足りてないという気がします。 【竹内】 今、国会の政治倫理審査会で説明をしようという動きがありますけれども、どういう場でどういう形でやるにせよ、しっかりと説明をしないといけないと思います。 もう一つの“けじめ”の方は、ここにきて、急速に声が高まっています。