腸活の最新キーワード!健康状態をアップグレードしてくれる「ポストバイオティクス」とは
気分の改善から更年期障害の症状の緩和まで、多岐にわたるプレバイオティクスとプロバイオティクスの役割が明らかになってきた今日この頃、またしても別の“バイオティクス”が顔を出した。 【写真】健康な腸に欠かせない7つの食品 “ポストバイオティクス”は腸活における最新のキーワード。プレバイオティクスとプロバイオティクスの副産物みたいなもので、免疫系の強化にも慢性疾患の治療にも役立つとされている。そう聞けば、研究者たちが夢中になるのも無理はない。事実、2021年以降に発表された研究結果の半数はポストバイオティクスに関するものだった。 ポストバイオティクスに対する興味関心は研究所の外でも高まっている。市場調査会社Lumina Intelligenceの調べによると、ポストバイオティクスという言葉のグーグル検索数は2019年から1000%以上増加している。しかも、すでにポストバイオティクスのサプリメントまで登場していると聞けば、さすがに気になる。ポストバイオティクスは何がそんなにスゴイのか? イギリス版ウィメンズヘルスから見ていこう。
ポストバイオティクスとは
この言葉を初めて聞く人は少なくないはず。数年前までは科学者ですらポストバイオティクスのポの字も知らず、2019年までは定義らしい定義もなかった。「現在ポストバイオティクスは『宿主の健康に良い作用を発揮する不活性化された微生物およびその構成成分』と定義されています」と説明するのは。ユニバーシティ・カレッジ・コーク(アイルランド)の微生物学者コリン・ヒル博士。 「でも、本当に重要なのは、ポストバイオティクスが死んだ微生物でありながら健康によい影響を与えることが科学的に証明されているということです」。つまり、ポストバイオティクスは、プレバイオティクスとプロバイオティクスを摂取したあとに残る、死んでもなお有益な細菌なのだ。 研究が遅れた主な理由は技術の遅れ。「科学者たちにはポストバイオティクスの存在も、その潜在能力もある程度分かっていましたが、それを詳しく調べるだけの技術が最近までなかったんです」と話すのは、ヘルス・ウェルネスアプリ『KIC』の顧問栄養士オリヴィア・モリソン。そして、技術の進歩によって「ポストバイオティクスの研究が可能となったいま、バイオティクスと腸内微生物叢に関する常識が大幅に覆されるかもしれません」