腸活の最新キーワード!健康状態をアップグレードしてくれる「ポストバイオティクス」とは
ポストバイオティクスのサプリメント
当然のことながら、サプリメントメーカーもポストバイオティクスに注目しており、すでに何種類かの商品が市場に出ている。いま現在、ポストバイオティクスのサプリメントは液体の小袋、グミ、カプセルの形で売られていて、どれも腸の健康促進と免疫力アップを謳っている。その中には、ポストバイオティクス配合で更年期の症状とホルモンバランスの乱れを緩和するというマルチビタミンのサプリメントも。 モリソンは、このようなサプリメントに否定的な見方を示す。「現時点で出回っているサプリメントは買わないほうがいいでしょう。ポストバイオティクスのサプリメントの効果がヒトを対象とした実験で証明されない以上は、いかなる企業の主張も鵜呑みにするべきではありません。私の知る限り、その条件をクリアしている商品はまだないですし、動物実験や人体実験をしていると言う企業も、ポストバイオティクスのサプリメントに対してはしていないケースがほとんどです」 ただし、ポストバイオティクスが不足している人(過敏性腸症候群のような胃腸障害があり、プレバイオティクスの食品を摂取すると膨満感などの症状が出てしまう人)だけは既存のサプリメントを飲む意味があるかもしれない。その場合は栄養士に相談し、包括的な検便で現在の腸の状態をチェックしてから適切なサプリメントを選ぶべき。 ちなみにサプリメントは、原材料名に結合剤、糖誘導体(セルロースなど)や増量剤(塩、米粉、砂糖)がない高品質のオプション一択。基本的に食品は“純粋であればあるほどベター”。
普段の食事でポストバイオティクスを摂取するには
今回インタビューした専門家の面々は口を揃えて「ポストバイオティクスの潜在能力は非常に高い」と言っており、今後の研究では、特定の病気の治療に特定のポストバイオティクスを用いる可能性が焦点になるという。でも、ポストバイオティクスの産生量を増やす秘訣は食生活にあることを覚えておいて。リンフォードによると、ポストバイオティクスの摂取量を増やすには、健康的でバランスの良い食生活を送るのがベスト。「多種多様な植物性食品を取り入れて、プレバイオティクスとプロバイオティクスの両方を摂取しましょう」 プレバイオティクスはグリーンピース、ブロッコリー、ヒヨコ豆などに多く含まれており、プロバイオティクスはヨーグルト、サワードウブレッド、ピクルス、コンブチャなどの食品から摂取可能。「普段から幅広い植物性食品を摂取するようにしてください」とリンフォード。「植物性食品に含まれる食物繊維はポストバイオティクスの産生量を自然に増やしてくれますよ」 ポストバイオティクスには規定の量も摂りすぎの危険性もないけれど、できるだけバラエティに富んだ植物性食品を1日10食分は食べるようにしてみてほしい。それにプラスする形で、ポストバイオティクスを含む食品を取り入れるのも◎。酪酸はもっとも研究されているポストバイオティクスの一種で、バター、ハードチーズ、ヨーグルトなどに含まれる。