耳元で「穴に落としてやるぞ」。俳優・原田龍二が沖縄で恐怖の心霊体験!
突然、頭が痛くなったんです。具合も悪くなっていました。そしたら突然、悲しい気持ちが溢れて止まらなくなって……。 僕は自殺の名所に行っても悲しい気持ちにならないタイプなんです。なのに、そのボロボロと涙が止まらなくなって、泣き始めた。 一緒にいた阿部さんが「これは何とかしなきゃいけない」と、真言を唱え始めました。そんな状況を見かねた末吉さんも奥の部屋から戻ってきて、僕を後ろから抱きしめてくれました。「大丈夫ですよ」と。 僕はもう何がなんだかわからず、「外に出たい」と伝えて管理棟を後にしました。
「穴に落ちて死んでいたかもしれない」
振り返ってみると、ある瞬間から頭痛がしてきたことに気付いたんです。 管理棟の壁には、十字の線があちこちに描かれた後があったんです。それは落書きではなくて、もともとあった工事の印のようなものだったんですけど、ふとそれを見ながら、「もし首を吊るなら、こういう十字形のところにロープを巻くんだろうな」っていう考えが頭をよぎって……。 その瞬間からだったんですよ、頭が痛くなってきたの。
なぜ突然、涙を流すほど悲しい思いに覆われたのか、実際のところはわかりません。 でも、自死する人たちのなかには「死にたい」と思って死ぬ人もいれば、寸前になって「やっぱり生きたい」って思う人もいると思います。死ななきゃいけないほど悲しい人生だったと振り返りながら息絶える人だっているかもしれない。 そういう人たちの感情を、もしかしたら僕はダイレクトに受けたのかもしれません。末吉さんと阿部さんはそう分析していましたし、僕もきっとそうなんだろうなって思います。もし、いつものように「1人検証」をやってたら、管理棟の穴に落ちて死んでただろうとも言われました。2人のおかげで命拾いしましたね。 ◇ 原田さん曰く、「沖縄にはあまり知られていないアンタッチャブルな領域がある」という。次回も、観光地とはまったく違う顔を見せる沖縄から第2弾をお届けしよう。 新澤 遥=写真 ぎぎまき=取材・文
OCEANS編集部