早稲田大・花田勝彦駅伝監督の選手育成術が一冊に…上武大監督時代には3分間スピーチで人間力向上
早大競走部の花田勝彦駅伝監督が自身の指導理論などを記した「学んで伝える」(徳間書店)を出版した。
花田監督が早大と実業団のエスビー食品時代に指導を受けたのが、マラソン界のレジェンド瀬古利彦さん。著書では、その瀬古さんから「箱根駅伝じゃなく、オリンピックを目指せ」と常々言われ、故障や意見の衝突を繰り返しながらも、1996年アトランタ五輪から2大会連続で五輪に出場した軌跡が描かれている。
また、上武大監督就任後は「まずは人間力を身につけて、それにともなって技術力を上げる」ことに注力。表現力向上のため、合宿中に学生へ3分間スピーチや読書を課したり、箱根予選会では緻密(ちみつ)な戦略を用いたりして、無名校を箱根常連校に育てた経緯もつづった。2022年に早大駅伝監督となってからは、瀬古さんから受け継ぐ「1人ひとりに合った指導」を重視しているとし、「早稲田から世界へ」の思いを胸に、新たなオリンピアン育成を目標に掲げている。
花田監督は「瀬古さんをはじめ、多くの方々から学び、教えていただいたことを記した。成功より失敗や挫折が多いと感じるが、そこから学び、成長してきた過程が、何かの参考となれば」と話している。