薬と一緒に飲んではいけない飲み物や同時服用NGの薬とは?【40代、50代・薬と上手に付き合う方法⑦】
薬と飲み物や食べ物、サプリメントは組み合わせによっては、効果を弱めたり強めすぎたり、副作用を起こすこともある。そんな薬との飲み合わせについて、薬剤師の鈴木素邦(そほう)さんに伺った。
普段、飲んでいる飲み物で薬の効果に影響が!
緑茶やコーヒー、牛乳、炭酸飲料、ジュースなど、朝食後やおやつタイムに飲む習慣になっている人も少なくないのではないだろうか? そんな飲み物が薬の効果を弱めてしまったり、逆に強めすぎたり、副作用が強く出て危険なことがある。 「例えば、風邪薬+緑茶やコーヒー。総合感冒薬(風邪薬)をはじめ、頭痛薬、鼻炎薬などにはカフェインが含まれているものがあります。その薬を飲んで、すぐに緑茶やコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を飲むと、カフェインのとりすぎで興奮して眠れなくなることがあります」(鈴木さん) また、胃薬+炭酸飲料も避けたい組み合わせなのだとか。 「胃薬には胃酸を中和する成分が入っています。炭酸飲料は炭酸ガスが入っているので飲み物自体が酸性です。それを飲んでしまうと、その酸が先に中和されてしまい、胃の中での本来の薬の効果が弱まります。 胃薬を飲むとき以外にも、日頃から胃がもたれたり、逆流性食道炎のような症状がある人は、炭酸によるゲップで胃液が逆流しがちです。食道の粘膜を傷つける可能性があるので、できるだけ炭酸飲料は避けたほうがいいでしょう」 また、抗生剤は歯の治療のあとや呼吸器系の感染症、膀胱炎などで、よく処方される薬のひとつ。実は抗生剤+牛乳も効果を弱めてしまう可能性があるという。 「抗生剤の中でも、呼吸器感染症などに出されることが多いテトラサイクリン系や膀胱炎などに出されるニューキノロン系抗生物質の薬は、牛乳に含まれるカルシウムが薬の成分と結合して、体に吸収されにくくなり効果が弱まります。牛乳以外にもサプリメントのカルシウム剤も同様です。薬の服用後、2時間ほどあけることが大切です」 なかなか寝つけないなど、睡眠障害に悩んでいる人も少なくない。この睡眠導入剤+酒(アルコール類)の組み合わせもNGだ。 「睡眠導入剤もアルコールも中枢神経を抑制する作用があります。一緒に飲むことで中枢神経が抑制されすぎて、ふらつき、転倒、もの忘れ、意識障害、不安、焦燥感などの副作用が強く出ることがあるので、併用は絶対にしないでください」 ヘルシーなイメージの食材にも、注意が必要なものがある。 「ひとつは、高血圧の薬であるカルシウム拮抗薬+グレープフルーツ(グレープフルーツジュースも含む)の組み合わせです。 グレープフルーツやグレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン類という成分が、薬の分解を阻害して、薬が長く体内にとどまるので、必要以上の強い効果が出てしまう可能性があります。そのため、血圧が下がりすぎて、頭痛やめまいを起こすことがあります。 また、ワルファリン+青汁や納豆も要注意! ワルファリンは血液を固まりにくくして、血栓ができるのを防ぐ薬です。血液が固まるのに必要なビタミンKの働きを妨げることで、血液を固まりにくくするのです。ところが、青汁や納豆、クロレラなどビタミンKが多い食材を一緒にとってしまうと、薬の効果が弱まってしまいます。これらの同時摂取は避けるのがいいでしょう」