「お前のせいで負けた」男子バレー小野寺太志に届いた誹謗中傷…それでも“笑って消化”した理由「辞めたいなんて…1ミリも思わなかった」
多くのバレーボーラーが特別な想いで臨んだ「大同生命SV.LEAGUE」の開幕。本稿では、日本代表としてパリ五輪を戦い抜いたミドルブロッカーたちの“その後”を追った。第2回はパリ五輪で意外な姿を見せた小野寺太志(28歳)のインタビュー。【全3回/高橋健太郎編、山内晶大編に続く】 【秘蔵写真】「中学生でほぼ身長2m…大谷超えの逸材だった?」じつは野球少年だった小野寺太志ビックリ幼少時代を見る!「仲良すぎなミドルトリオ」「涙が止まらない高橋藍」「ブランの前で子供のように泣く西田」も全部見る(200枚超) 10月11日、東京体育館。 SVリーグの開幕戦となったサントリーサンバーズ大阪と大阪ブルテオンの試合で、思わず目を疑うシーンがあった。 両手の拳を握りしめた、ミドルブロッカー小野寺太志が吼えた。 多くの選手が自身のスパイクやブロック、サーブで点を獲ったり、好レシーブで相手の得点を防ぐなど、会心のプレーが出れば手を握りしめ、拳を突き上げ雄叫びも上げる。 バレーボールを見る中で当たり前の光景ではあるが、こと小野寺に関しては違う。何しろ他ならぬ小野寺が自認している。 「ワーッて喜んだり、客席に向けてガッツポーズすることは、カッコいいなって思うけど僕はできないんです。恥ずかしくなっちゃって、我を忘れる、とかできない(笑)。だから点を獲っても、常に冷静。(僕が)感情むき出しで喜ぶシーンがあったら、相当レアです」 長いラリーを制しても、周りの選手が走り回っていても、小野寺は「疲れるよ」とばかりに手を叩きながら微笑むだけ。そんな光景を何度も見て来ただけに、開幕戦で小野寺が見せた「レア」な姿に驚かされた。 ただ、思い返せば、この夏にも、感情を露わにした“吼える小野寺”を見た。 7月27日、パリ五輪初戦。 セットカウント1対1で迎えた第3セット中盤、小野寺がドイツ代表の主砲ギョルギ・グロゼルをブロックで仕留めた。 小野寺は「叫ぼうと思えば叫べることがわかった」と自虐的に笑いながら、そのシーンを振り返った。 「1セット目をドイツに圧倒されて獲られてしまった。その時に、今までと同じ戦い方じゃダメだ、って思ったんです。僕は飄々としているタイプで、チームに対してアクションするわけじゃない。でも声を出すとか、相手よりハッスルするとか、そういうことはできるし、今はしなきゃいけないんじゃないか、まずは気迫だと思ってスイッチを入れました」
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