「日本シリーズ出禁」のフジグループ代表が「謝罪の花」贈るも……怒ったNPBに”撤去”されていた!
「出禁」の理由
ソフトバンクとDeNAが熾烈な戦いを繰り広げている今年の日本シリーズで、フジテレビが第1戦から実質的な〝出入り禁止〟処置を受けていることが、毎日新聞などの報道によって明らかになった。 「大谷翔平から出禁」食らったフジテレビ 水原一平の両親宅直撃の“前科アリ”透けて見える「焦り」 在京テレビ局スポーツディレクターが声を潜めながら語る。 「第1戦が始まってから、フジテレビのカメラマンや記者が、一斉に球場から消えたのです。25日に行われた日本シリーズ前日練習では、フジテレビのDeNA球団担当記者、カメラクルーが通常通り取材をしていましたから、『なにかあったのではないか?』と現場はザワついていましたね。 ことの真相をフジ関係者に聞くと、『日本シリーズの運営や取材対応を管轄するNPB(日本野球機構)から、日本シリーズ取材パスを返却するように求められた』と言うんです。パスがなければ、最大7戦まで行われる日本シリーズを球場内で取材することができなくなってしまいます」 今年のプロ野球の総決算の舞台に、スポーツ報道を得意とするフジテレビがなぜ入れなくなったのか。背景には、同じ日から始まった米メジャーリーグのワールドシリーズ中継が大きく影響しているという。フジテレビ関係者が話す。 「今年のワールドシリーズは大谷翔平(30)、山本由伸(26)が所属するドジャースと、名門のヤンキースというカードで世界中の注目を集めていました。そのため、フジテレビは放映権を正式に取得。全試合を生中継で放送することを決め、さらに再放送権利も行使して地上波での再放送を決めた。しかし、これをNPBが不満に思ったのでしょう」 ワールドシリーズは現地時間の夕方から行われるため、時差の関係で日本では午前9時ごろからの中継となっている。これが日本シリーズをジャマするとは考えにくいのだが……。 「たしかに、ワールドシリーズの中継自体は問題ありません。しかし、フジが行った第1戦、第2戦の再放送は、視聴者が観やすいようにと午後7時から放送されました。それがマズかった。なにせ、その真裏ではTBSが日本シリーズ第1戦、第2戦を中継していたのですから。今の大谷人気を考えたフジテレビが、同じ野球コンテンツでTBSに勝負を挑んだ形です。 これは言わば、“日本プロ野球vs.メジャーリーグ”の対決とも言える。NPBからすれば、一番の人気コンテンツである日本シリーズが、大谷人気に食われてしまった感覚でしょう。幹部が『恥をかかされた』という感覚を持ってもおかしくありません。その報復として、今回のフジテレビに対する“日本シリーズ出禁”を決定したのだといわれています」(前出・スポーツディレクター) ◆来季に影響する恐れも NPBを怒らせてしまったメディアは、厄介な問題を抱えることになる。 「各報道機関の野球担当スタッフは毎年、NPBからセ・リーグ、パ・リーグ12球団の全主催試合に事前手続きなしで入場できる取材証を発行してもらっています。それが取り上げられれば、各球団に毎回必ず取材申請をしなければいけなくなり、手続きがかなり煩雑になる。どうやら今回、NPB幹部の怒りは相当なものらしく、来季のレギュラーシーズンの取材パス発行を見合わせる可能性も浮上しているというのです。フジテレビ側はこれを最も恐れており、NPBへの説得など対応に追われています」(同前) 10月29日に行われた第3戦については、元からフジテレビが放映権を取得していたため予定通りフジテレビ系で放映されたのだが……。 「試合前にはスポンサー、NPB関係者に謝罪するため、フジテレビの編成トップが東京からすっ飛んできてお詫び行脚をしていました。それでも、謝罪は完全に受け入れられたわけではなく、当面はパス没収などのペナルティーを受けることになります」(現場を取材するスポーツ紙記者) 日本シリーズ開催球場には、慣例としてスポンサーやテレビ各局から胡蝶蘭など祝い花が届けられるのだが、フジテレビの花にのみ、“異変”が起きていたという。 「球場の関係者入り口には日本テレビ、テレビ朝日、TBSや在福岡各テレビ局などが社長名義で贈った花が置かれていましたが、フジテレビの花だけ、そこに見当たらないんですよ。なんと、関係者入り口から“撤去”され、人目のつきにくい別の場所にひっそりと移動させられていたようなんです。フジ関係者はこれに焦ったのか、29日になって急遽、フジサンケイグループの総帥・日枝久氏(86)名義で追加の胡蝶蘭を贈りました。予想以上に騒動が大きくなり火消しに奔走したのでしょう。ところがその花も、社長名義の花と同じ場所にひっそりと置かれていた。社長名義の花を“撤去”し、その上の会長自ら贈ってきた花さえも同じ場所に追いやるとは……。あまりに異例の対応です。NPBはよっぽど怒っているのでしょうね……」 フジテレビといえば以前、大谷のプライバシーを侵害するような報道によって、大谷に関する取材パスを凍結され、一時“出禁状態”になったことが話題を呼んだ。 今回は、大谷の勇姿を日本国民に届けようとしたところ、怒ったNPBから取材パスの没収を食らうことに。日米両国で“出禁処分”を受けたフジテレビは、まさに踏んだり蹴ったりの状態だろう。
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