大阪カウンター中華に次世代が台頭! 西天満の老松通りに「火ノ鳥」出身者が新店オープン
大阪の名店「火ノ鳥」の弟子が独立
大阪ではシェフの個性溢れるコースが味わえるカウンター中華が人気ですが、その選択肢が今春増えました。老舗のそば屋や名割烹が軒を連ねるエリアに、「中国菜 火ノ鳥」出身者が腕を振るう「上深川」が開店しました。
大阪・西天満。古美術店や小さなギャラリーが多く並ぶ、情緒ある老松通りに、2024年4月、中国料理店がオープンした。店名は「上深川」。オーナーシェフの田原光樹さんの出身地、広島県の都市名にちなんで、店名を付けたという。
田原さんは1988年生まれ。子供のときから料理が好きで、手に職をつけたいと考え、大阪の辻学園調理専門学校で料理を学ぶ。「華やかなイメージがあったので」と洋食を選択。卒業後は町場の和食居酒屋やイタリアンなどさまざまの業態の飲食店で、調理や接客をしていた。そんななか「ちゃんと中国料理を食べる機会がなかったので、一度食べてみよう」と訪れた大阪の名中国料理店で衝撃を受ける。
そして、中国料理を学ぶことを決意し、当時から大阪一予約が取れないと評判の「中国菜 火ノ鳥」へ。4年間、中国料理にのめり込んだ。「中国菜 火ノ鳥」では中国料理を一から学んだが、中でも、井上清彦シェフから教示されたことで印象的なのは、山東料理の調理法や華やかな香りの出し方と話す。
独立に際し、モデルは「中国菜 火ノ鳥」。「(中国料理店は)そこでしか働いたことがないので、自分のわかりやすさややりやすさを考えると、自然とそうなりました」と田原さん。長いカウンターやキッチンのレイアウト、中華バーナーの大きさも参考にした。食材も同じところから仕入れている。
月ごとにメニューが変わるコースの一部をご紹介!
料理はコース1本で、12,000円前後。月ごとにメニューを変更している。「とにかく今は教わったことをちゃんとやってみることから始めています」と田原さん。
小皿に盛られた前菜は、甘海老の紹興酒漬、緑なすと新レンコンの米麹漬、アヒルの砂肝の白酒漬など10品。どの品も手が込んでおり、うまく発酵食品などを合わせて酸味やうまみを加味している。