もはや死語? 高校野球の「エースで4番」が激減した理由
時代の流れは「2番最強説」へ
そもそも、現代野球では「4番に最強打者を置くべきではない」と杉本氏は考えている。 「『4番最強説』は、1番が出塁して2番がバントで送ってクリーンアップが還すという発想から生まれています。バントは試合終盤に1点を取って逃げ切りたい場面では良いのですが、初回から必要な戦法ではない。それよりも2番に長打のある打者を置いて、大量得点を狙うべきです。犠打はバント処理の苦手なチームの多い地方大会では有効ですが、甲子園で勝つためにはなるべく使わないほうがいい。私は『2番最強説』を唱えています」 過去5大会(中止の2020年除く)で、勝者が3得点以内だった試合は16.3%(2021年の不戦勝2試合除く)しかない。メジャーリーグでホームラン王を獲得しそうな大谷翔平が座っているように、時代の流れは「2番最強説」に傾きつつある。 「近年は投げても打っても凄い選手はなかなか誕生しない。球児は、大谷選手を別格過ぎて手の届かない存在と考えていると思います。逆に言えば、バントをしない『2番・ピッチャー』を擁するチームが甲子園で勝ち上がれば、その選手こそ『ポスト・大谷』と言っていいかもしれません」