11日(日)台風5号 異例のコースで東北へ 関東以西は災害級の猛暑
台風5号はきょう11日(日・山の日)からあす12日(月・振休)にかけて東北の太平洋側にかなり接近し、上陸する見込みだ。台風接近時には”線状降水帯”が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがある。一方、関東以西は夏空と猛暑が続く見込みで、引き続き、熱中症に厳重な警戒が必要だ。
台風5号 東北直撃へ
台風5号は発達しながら北上を続け、あすには暴風域(風速25メートル以上)を伴い、岩手県や宮城県など東北の太平洋側に上陸するおそれが高まっている。東北太平洋側への台風上陸は統計史上2度しかなく、特に2016年台風10号(岩手県上陸)は豪雨による甚大な被害をもたらした。台風襲来に慣れていない地域であること、また今回の台風5号は自転車並みのスピードで時間をかけて東北を横断するため、大雨などの影響が長く続く点が警戒すべきポイントとしてあげられる。
東北は大雨・暴風に厳重警戒
きょうは台風5号の接近に伴い、東北の太平洋側では次第に雨の範囲が広がり、降り方も激しくなる見込みだ。あすにかけては警報基準を大きく超えるような大雨や大荒れ、大しけが予想される。特に雨に関しては、8月1か月分の平年雨量をはるかに超える記録的な大雨になるおそれもあり、大規模な土砂災害や河川の氾濫など起きてもおかしくない深刻な状況だ。台風接近時には”線状降水帯”が発生するおそれもある。
気象庁は台風5号について「高い危機感を持っている」とし、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、暴風などに厳重に警戒し、早めに備えるよう呼びかけている。また交通機関が大きく乱れる可能性もあるため、予定の変更も含め柔軟な対応が必要だ。
関東以西は”災害級の酷暑”
命に関わる災害は台風だけではない。連日、熱中症患者が続出している猛暑に対しても、引き続き厳重な警戒が必要だ。 きょう夏空が広がる西日本や東日本では、猛暑日エリア(35℃以上)がきのうより拡大し、関東甲信を中心に40℃に迫るところがある見込み。名古屋では5日連続38℃超、東京都心はきのうより2℃ほど高い37℃予想で今月に入り一番の暑さとなりそう。ただ夜には茨城県など関東の一部にも台風による活発な雨雲がかかり、風も強まってくるおそれがある。また関東沿岸はうねりを伴った高波にも注意が必要だ。
<11日(日)予想最高気温> 39℃ 前橋・さいたま・熊谷(埼玉)・甲府 38℃ 秩父(埼玉)・名古屋・佐賀・熊本など 37℃ 東京・横浜・宇都宮・岐阜・津・高松・山口など (気象予報士・小野裕子)