阿川佐和子さん、きものリメイクで「蘇る父と母」
リメイクするアイテムを画策するなか、続いて阿川さんが所望したのは着付けの救世主となる付け帯でした。 「形を成すきものに、できる限り鋏を入れたくない」という阿川さんの気持ちを立てて、件の茶箱を探ると洗い張りのために糸を解いたままになっていた紬が見つかりました。仕立て直すのには、パーツが足りなかったため、これ幸いと付け帯へと“プチ・リメイク”。
さらに、「いつかはワンピースに」と茶箱に眠っていた、東南アジアへの旅の思い出を秘めたコットン更紗も付け帯へと生まれ変わりました。
スタイリッシュな2本の付け帯が加わったことで、阿川さんのきものライフは一層コーディネートの幅が広がったようです。
阿川佐和子(あがわ・さわこ)
作家・エッセイスト 1953年東京生まれ。大学卒業後、テレビ番組でのリポーターを機に、報道番組でのキャスターや司会を務める。映画やドラマに出演するなど女優としても活躍。『週刊文春』(文藝春秋)では対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」を、『婦人公論』(中央公論新社)、『波』(新潮社)他では多くのエッセイを連載。テレビ朝日系列『ビートたけしのTVタックル』『日曜マイチョイス』にレギュラー出演中。『レシピの役には立ちません』(新潮社)他、著書多数。
撮影/森山雅智(人物) 西山 航、伏見早織(ともに静物、本誌) ヘア&メイク/田中舞子(VANITÈS) 着付け/石山美津江 構成・取材/樺澤貴子