婚活アプリは、自分の「オンナの価値」を確認・安心するための場所⁉ 遊び半分だった35歳女性が、なぜ焦って結婚したくなったのか?
25~44歳女性の就業率は上昇し続け、約8割が働く女性という現代。それに合わせて、女性の生涯未婚率も増加の一途を辿っています。 結婚をしたいけれど出会いがない、成婚に至らないということはなぜ起きるのか、働く女性は婚活にどのような悩みを抱えているのでしょうか。 【データ】男性・女性の未婚率の推移、30~40代女性の結婚願望は? アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんのもとには、さまざまな悩みを抱える婚活女性が訪れます。 今回は、出会った男性をネタにしてこきおろしてしまう女性の婚活ストーリーを紹介します。 ※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しております。 働く女性の婚活百景 #15
自意識過剰なミュージシャンに違和感を覚えて
K美さんは、35歳の派遣社員。 職場でもプライベートでも友人知人が多く、食事会や飲み会によく誘われるタイプの女性です。ひとり暮らし歴も10年を超え、誰にも気を使わずに済む気ままな生活が気に入っています。「このままひとりでも楽しく生きていけるだろうな」と思う反面、正社員ではないことで将来への漠然とした不安もあります。「人生をともに歩んでいけるパートナーがいてくれたら」と、マッチングアプリを活用してゆるく婚活を始めることにしました。 最初に出会ったのは、3歳下のミュージシャンの男性。あるメジャーなボーカリストのバックバンドのメンバーで、作曲も担当しているということでした。ネットショップ経営の副業も好調で、住まいは広いマンション。相当稼いでいることがうかがえます。 彼は初対面のときからK美さんに好印象を抱いたようで、数回のデートのあと、正式におつきあいをすることになりました。 普段はなかなか出会えない業界の人ということもあって、当初は彼の話に興味津々だったK美さんでしたが、そのうちになんとなく彼に対して違和感を抱くようになります。 いちばん気になったのが、自意識過剰なところ。カフェでお茶をしたり、レストランで食事をしたりしているとき、誰かがこちらにスマホを向けている気配が少しでもあると、たちまち「オレのことを撮ったのか?」と腹を立てる彼に、「人の目を気にしすぎじゃない?」と思うようになったのです。「だいたい、あなた自身は有名じゃないよね」と。 たしかに、ボーカリストはよく知られている人ですが、バックバンドのメンバーである彼のことは、K美さんは顔も名前も知りませんでした。 気になるところはほかにもありました。仕事が忙しそうな彼のために、K美さんは自分で作ったおかずを密封容器に詰めて、何度か彼の自宅に持っていきました。K美さんお手製の料理を、彼はおいしそうに口にするものの、「ありがとう」や「おいしい」などの言葉にはしてくれません。「作ってもらって当然」という態度に、K美さんは「この人は違う」と感じます。 結局、3カ月ほどで関係を解消しました。彼のことはそれほど好きだったわけではないので、未練はありません。ただ、お気に入りのガラス製の密封容器を彼の家に置いてきたことだけは悔やまれます。「けっこう高かったのに」と女子会でネタにするK美さんでした。