ついに久保建英がA代表デビュー?!香川の練習回避で出場可能性が
機転を利かせて、答えを胸中に封印した。自身の言葉が独り歩きしかねない状況を察して冷静沈着にして当意即妙のコメントでいなす。 18歳になったばかりの少年が見せる所作とは思えなかった。 初めて招集されたフル代表で、デビューが期待された5日のトリニダード・トバゴ代表とのキリンチャレンジカップでまさかのベンチ外になってから2日。メディアから飛んだ質問に対してMF久保建英(FC東京)がピッチ内のプレーと同じく鋭い切り返しを演じてみせた。 久保をベンチ外にした理由を、日本代表の森保一監督は「少し緊張の糸を緩めながら、先に進んだ方がいいと思った」と明かしている。 J1戦線の首位を独走するFC東京の原動力となり、最近では海外移籍報道がかまびすしくなった。ただでさえ注目を集めるなかで、一連の状況が18歳になったばかりの心へさらに負担をかけるのではと、親心に近い心境で慮ったわけだ。 賛否両論を呼び起こした指揮官の決断のもとで、それでも試合に出たい気持ちが強かったのか――と問われた直後だった。間髪入れずに「それを言って、森保監督といい関係になることはないですし」と切り出した久保はこんな言葉を紡いだ。 「とらえ方によっては、変に書かれてもあれなので。自分だけではなく、誰もが試合に出たいと思ってここに来ているので。ここで言うよりは、練習からアピールすることがすべてだと思っています」 日本代表に招集された選手たちは試合前日までに一度、練習後にメディアの取材に応じる。今回のキリンチャレンジカップで言えば、5日のトリニダード・トバゴ戦までの3日間、そして9日のエルサルバドル代表戦までの3日間で、それぞれ9人ずつが取材エリアとなるミックスゾーンを通る。 そして、エルサルバドル戦の舞台となる、ひとめぼれスタジアム宮城で行われた7日の初練習後の取材対応を割り当てられた一人が久保だった。森保ジャパンで初めて3バックが採用され、25本ものシュートを放ちながらスコアレスドローに終わった、トリニダード・トバゴ戦後はミックスゾーンを通らなかっただけに、当然ながらスタンドから試合を見た心境を問われた。 「悔しさというよりは、もう終わったことなので」 過去は振り返らない、と言わんばかりに前を向いた久保は、もしも自分が出ていたら――という質問もこんな言葉でかわしている。 「点が入るときは入るし、入らないときは入らない。入ってもおかしくないシュートも何本かありましたし、自分がいれば点を取れると言うつもりはまったくありません。相手に関係なく、チャンスをもらえれば自分のプレーを見せるつもりですし、引き分けたからといって変わることは何もないですね」