アウトドアプロダクツのデイパック「452U」が 物語る、「不変」という価値
2004年に登場したロゴ。創業以来、積み重ねてきた技術やこだわりを踏まえ、今後もよりよいプロダクトを生み出していくという未来への約束と、最高の日用品を提供したいというもの作りへの熱意が込められている。
有名ブランドとの個性的なコラボレーションモデル
「452U」はファッションデザイナーからの評価も高く、これまでさまざまなブランドとのコラボレーションモデルがリリースされてきた。パートナーを見ると、Brooks BrothersやN-HOOLYWOOD、TOGA、NEIGHBORHOOD、nonnativeなど名だたるブランドが並ぶ。 「もともとデザイナーさんが愛用者だったというケースが少なくありません。アレンジしやすいシンプルな設計はクリエイションのキャンバスとして理想的ですし、普遍的なデザインはスタイルにも囚われません」 コラボレーションモデルはすぐに完売することが多いという。もともと「452U」は5,000円台ということもあって、取り組み先ブランドのインラインで展開されているバッグよりも価格が下がる場合が少なくない。この手に取りやすいプライスも、コラボレーションモデルの人気に拍車をかけている。
アメリカで作られたオーセンティックラインの人気も高い。現在、アウトドアプロダクツのバッグはその多くがアジアで製造されているが、コアなファンの声に応えるべく、限られたショップでメイド・イン・USAのモデルが展開されている。基本的なデザインやスペックは同じだが、生地のざっくりとした質感など、アメリカ製ならではの味わいがある。 「現代のバッグにはさまざまな機能が備わっていますが、アウトドアプロダクツが考えるバッグの機能はじつにシンプルです。『重い荷物を入れて、持って歩いても壊れないかどうか』。これこそがバッグという道具の本分だと思います。この機能に関しては、数あるブランドの中でも、トップレベルだと自負しており、『重いものを入れて破れた』というクレームは耳にしたことがありません。ときどき、『どれだけの重さに耐えられるか?』と聞かれることもあるのですが、人間が持つことができる重量を超えてしまうため、計測しても意味がないのです」 誕生からおよそ半世紀、いわゆる“かまぼこ型”のデザインは、さまざまなブランドに模倣され、世のデイパックの手本となった。だが、「シンプル・軽量・丈夫、そしてリーズナブル」というもの作りの哲学が透徹した「452U」は、アウトドアプロダクツにしか作ることができない唯一無二の存在だ。 なぜ、「452U」の基本設計はほとんど変わらないのか?――それは完成されているがゆえに、変わる必要がないからだ。