アウトドアプロダクツのデイパック「452U」が 物語る、「不変」という価値
また、ショルダーストラップには長さを調整するアジャスターとクッションパッドがあしらわれ、そのショルダーストラップと本体の接続部分には、ちぎれを防止するシームロックも施されている。
カルチャーと結びつくことで、アメリカン・スタンダードに
1980年代に入ると、大学やプロスポーツとの関係を深めていく。 「アルトシュール兄弟の弟は、ビジネスにおいて先見の明を持った人物で、アイビーリーグ(アメリカ北東部にある名門私立大学の総称)をはじめ、全州の大学と契約します。そして’90年代には、NFLやNHL、NBAの全チームともライセンス契約を結びました。こうして全米中の大学生協やスポーツ用品店、スタジアムで、大学やチームの名前がデザインされた『452U』が販売されるようになりました」
日本での知名度を高めたのは、テレビドラマの『ビューティフルライフ』の影響が大きい。作品の中で、木村拓哉さんが演じる主人公がスカイブルーの『452U』を背負っていたことがきっかけで、若者の間でブレイクしました」
もの作りへの思いが込められたタグの変遷を見る
そんな「452U」の目印といえば、ブランドのロゴがデザインされた大きなタグ。誕生以来、そのデザインは変化を遂げてきた。
1978年から使われたファーストロゴ。グリーンとホワイトの色使いがレトロなアウトドアテイストを感じさせるデザインは、「樹木のように土地に根を張り、環境と共存するように」という願いが込められている。
こちらは1983年頃から使われ始めた「ヒバリ」のロゴだ。鳥は後ろに進んだり、歩いたりすることができない生物。そしてヒバリは鳥の中でも高いところを飛ぶ。ブランドとしての前進や向上への思いが込められている。
1987年から使われ始めたロゴは、現行のロゴの原型となった。ブランド名はすべて大文字になったほか、「PRODUCTS」の字間が狭くデザインされているのも特徴。なお、’90年代初期から字間は広くなる。
1997年に登場したロゴは「OUTDOOR」の右横のⓇマークが特徴。’90年代初期までは、このマークは「OUTDOOR」の右上に小さく配されていた。現在、展開されているプロダクトの多くに見られるおなじみのデザイン。